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 明け方の夢を膨らませて作った、切ないSMの物語


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性的、暴力的な表現を含んでいます。
虚構と現実の区別のつかない方
18歳未満の方はご遠慮くださいませ。
自己責任に於いて閲覧していただきますようお願いします。

 

 「はあっ」
 耐え切れずに息を吸い込む。喰い込んでくる縄の痛みに涙が出てくる。あっ。あっ。助けて。博人さん。

 私は苛んでくる相手に心の中で懇願する。だけど、口に出しては言えなかった。自分で望んで、彼のものになったのに、私は未熟でちっとも彼に答えられていない。身じろぎするのも怖いくて、必死に足に力を込める。今度足を踏み損なってバランスを崩したら、そう思うと体が震えてくる。汗で頬に張り付いた髪を、博人さんが掻き揚げてくれる。目を合わせられない。彼を見たら、泣いてしまいそうだった。
 じっと私を見ていた博人さんは、後ろから抱きかかえるようにしながら、手を廻すと、私の脇の下へ触れてきた。私は驚愕に目を見開くしかなかった。もし、博人さんが激しくくすぐってきたら、きっと私は痛みどころじゃなく叫んで、暴れて、抵抗していたと思う。でも、博人さんの手の動きはそんなんじゃなかった。
 私は目をいっぱいに見開いて、鏡の中の博人さんを見つめながら必死で首を振った。手を握りしめ。体中に力を込めて……。耐える。汗が背中を伝って流れる。あ、だめ。もう、我慢出来ない。無意識のうちに目をつぶって、博人さんの手の動きを追ってしまう。振り払いたい。叫びだしたい。もう、だめ。耐えられない。やめて。やめて。あ。あ。嫌。許して。
 許しはこなかった。博人さんの手は、私の一番弱いところ感じるところをゆっくりと這いずった。痛みと快感が交互に襲ってくる。意識が遠のく。どれくらいの長さ、そうやって耐えていたのか分からない永遠と思うほどの時間がゆっくりと流れた後、足が滑って私は縄に思いっきり体重を掛けてしまった。
「あうっ!」
 悲鳴を上げた私を、博人さんが横抱きに持ち上げた。痛みは遠のき、私は必死で博人さんの足に足を廻して絡みつく。詰めていた息がふいごのように洩れて私は泣きながら博人さんに懇願していた。
「もう、もう、だめ。許して。許して」
 片手で私を持ち上げながら、どこかの縄を引く、とするするっと足の間を締め上げていた縄がほどけて私は手枷にぶら下がった。博人さんはつないでいた縄も難なくほどくと私を抱き上げてベッドに連れて行って、横たえた。するりとその横にもぐりこんでくる。
「痛い?」
 足の間にそっと手を重ねてくる。
「いや、恥ずかしい」
 涙を拭いながら、彼の胸に顔を押し付ける。ジンジンと痛みが拡がって、あそこはどんなになっちゃったんだろうと心配になってきた。抱きしめられる。そっと頬に口付けされて涙を拭われる。恥ずかしさだけじゃない、何か喜びのようなものが体中にいっぱいに膨れ上がって来て、私は博人さんにしがみついていた。

 博人さんに抱かれると私は泡のように溶けてしまう。今までの乏しい経験では一度もそんなことは無かった。私は博人さんの指先に翻弄され、もみくちゃにされて、打ち上げられる期待と不安に、苦痛と快感に、幸せと喜びに浸されながら……。
「結婚したい」
 ぽつりと言ってからはっと気が付いた。私ったらなんて事を口に出しちゃったんだろう。ぴったりと寄り添っていた博人さんが、はっと顔を上げるとやれやれというかのように溜息を付いた。
「夕姫。まだ、だめ」
「…ごめんなさい」
「まったく、叔父さんのせいだな」
 私はちょっと悲しくなって小さくなった。博人さんは私の顎に手をかけると顔を上げさせて頬へくちびるを付けた。
「あの人は、根本的に僕と同じタイプだから、人のことを虐めたくって仕方ないんだよ。わざと口を滑らせて、困った顔を見たがるんだ」
 そう囁くと、こらえきれないようにまた溜息を付いた。
「ねぇ。夕姫。君は、今、夢を見ている。その夢は、僕にとっても心地よくって、君をこのままさらってしまうのはすごく簡単なんだ。本当のところ、そうしてしまいたくってしょうがないんだからね」
 子守唄のように優しく響く博人さんの声が少しうわずった。
「必死で我慢しているんだからそんなふうに油断をしちゃだめだ」
 それでは、まるで、彼のほうが結婚したいみたいに聞こえる。それとも、そうなのかしら。
「君が、本当の僕を見つけるまで、決して気を許しちゃダメなんだよ」
 本当の博人さんってどんななの。今の博人さんはそうじゃないの。サディストの博人さん。本当の顔を見せた時、私は彼が思っているように、逃げ出そうとするんだろうか。それとも…もう、すっかり囚われて壊れていくだけなんだろうか。早く、壊れてしまいたい。彼の体に腕を廻すと、体を摺り寄せた。
 博人さんは心底困ったように呻き声をあげた。ねぇ、博人さん。少しは、私の事が欲しいと思ってくれる?少しは、私の事愛してくれている?
「愛している」
 博人さんは、顔をゆがめ、きつく私を抱きしめると、私の中にもう一度深く押し入ってきた。私はいっぱいに満たされて弾けた。




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