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 明け方の夢を膨らませて作った、切ないSMの物語


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性的、暴力的な表現を含んでいます。
虚構と現実の区別のつかない方
18歳未満の方はご遠慮くださいませ。
自己責任に於いて閲覧していただきますようお願いします。

 
 ドアをノックして、寝室へ入るとフランツ様は酒を飲みながら長椅子に寝そべるように足を投げ出して待っていた。私の顔を見ると、もうひとつのゴブレットの方を顎で指し示し、自分も注ぐようにと促す。私も、酒の力を借りなければ話せないような気がしていたので主の指し示すままに腰掛けて、酒を注いだ。お互いに、どちらが先に口火を切るのかを探り合うような沈黙が続く。だが、結局は話し出したのはフランツ様の方だった。
「王は、多くの快楽奴隷を王宮の奥深くに飼っている……」
 知っていたか?と目で問いかけてくる。私は、モレンツに聞くまで、噂にもその話を聞いた事が無かった。首を振る私を見て、彼は観念したように目を閉じた。
「責めさいなまれるのがお好きなんだ」
 責めさいなむ?もちろん従者としてお屋敷に仕えていれば、ある程度の色事を見聞きする機会も十分あったし、それなりの姿をしていたせいもあって、物陰に引きずり込まれたことも無いわけではなかった。身分の高い男女が、私のように身分の低い者に対して遠慮をするわけも無く、いいオモチャにされてしまったことも何度かある。
 軍隊に入ってからは、さすがにそんなことはなくなったが、代わりに荒っぽい酒場や色街での密事が日常だったので、いつまでもうぶなままでいるわけではなかった。だが、責めさいなむということの具体的な行為が、すぐに思い浮かばなかった。
 だが、先を続けようとしたフランツ様の震える唇や青ざめた頬を見ていると、自分が主人にとんでもない告白を強いているのではと、思い惑わずにはいられなかった。
「王は、私を……そうしたんだ……」
 急激に目の中まで赤くなったような気がして自分でも仰天する。何が起きたのかよくわからなかった。立ち上がった自分を、彼が座らせようと躍起になって袖を引いていた。我に返って、自分が怒りくるっていることが分かった。いかに国王といえども、私のフランツ様を!私の主を!快楽奴隷のようにあつかった?その内容は分からないまでも、彼の様子から察してどれほどのことが行われたのか考えると、堪らなかった。
「ヴァイス!座れ!……座ってくれ」
 私は、ドスンと腰を降ろした。落ち着こうと大きく息を吸い込み、何度か呼吸を繰り返す。だんだんと霧が晴れるように赤い色が消え、世界が戻ってきた。私は両手を握りしめ、ぎりぎりと歯軋りした。
「何を、何をされたとおっしゃいました?責めさいなむとは、どういうことなのです?」
「……」
 よほど言いにくかったのだろう。フランツ様の視線が定まらず、あちこちをさまよった後、首を振り、かすれた声でささやくように言葉を絞り出した。
「縛って……鞭で打つんだ」
 思わず息を呑んだ。
 公爵家の跡取りを鞭で打つ?そんなことはよほどのことでもありえない事態だった。
「なぜ?なぜです?何の罪で!?」
「……罪じゃない。性的なものなんだ。暴力が興奮を呼ぶ。……酷ければ酷いほどいいんだ」
 私は、凍りついた。ゆっくりと彼の話すことの意味が脳に染み込んでいく。原始的な性と暴力は切り離せないものだという理屈は私にも理解できる。そして、そういう趣味の退廃を好む人間がいるということも知識としては知っていた。だが、それが国王の寝室で行われているということは、私にとっては想像もできないことだった。ましてや自分の主がそれに巻き込まれるなんて事が……。
……いや、ほんとうだろうか?主人に対し一度もやましい気持ちを抱いたことが無いと、神に誓えるのか?憧れに似た気持ちの底で、この美しい人を汚してみたいと思ったことが一度も無いとでも?
「ありとあらゆる苦痛を。体を痛めつける考え付く限りのいろんな方法を試される。それから、無理矢理抱くんだ」
 私は、答えられなかった。男が男を抱く行為を知らないわけではない。それこそ、無理矢理押し倒されたことなど何度もあった。しかし、誰よりも誇り高く毅然としていたわが主が……。胸に錐を揉みこまれるような苦痛を感じる。
「もちろん私だけじゃない。小姓として上がった者はみな次々と……。だが、私は陛下にとって、ことのほかお気に入りのオモチャだったんだ。それこそ、毎日のように……」
 主の二年間、固く閉じられていた結界が壊れようとしていた。
「打つだけじゃない。ひざまずかせ、懇願させるんだ。口が腐っても言えないはずのことを請い願わせられる。そして私は言われるがままに、そうした。床を這いずり、王の足を舐め、膝に取りすがって許しを請うた。泣きながら奴隷達の慰み者にされたことも……。そして、そして、それを皆に見せた。王は私を一緒に仕事をしていた小姓たち皆に鞭打たせた。なぜなら、私が、私が……皆の中でも一番、そうされることに屈辱を、苦痛を感じていたから。面白いと王はおっしゃった。私ほど見世物として面白い奴隷はいないと!」
 相手が話を聞いているのか、どう思っているのかまったく考えない様子でフランツ様は言い募られた。どれほどの屈辱と、どれほどの汚辱にさらされたかを。私はあまりの事にわれを忘れた。何とかして、話を止めないと、これ以上話をさせたら心が壊れてしまいかねない。衝動的に手を伸ばし、フランツ様を引き寄せて激しく唇に唇をぶつけた。動揺しきっていた私は、あの方の唇をふさぐ方法が他に思いつかなかった。




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