fc2ブログ
 明け方の夢を膨らませて作った、切ないSMの物語


★新館・旧館・別館の構成★

1.新館、通常更新のブログ

2.別館、女性向けSMあまあまロマンス
つまりここ↑

旧館バナー
↑本館の旧コンテンツを見たい方はここに
プライベートモードです。パスワードは「すぱんきんぐ」
画像のリンク先は自己責任でお願いします




性的、暴力的な表現を含んでいます。
虚構と現実の区別のつかない方
18歳未満の方はご遠慮くださいませ。
自己責任に於いて閲覧していただきますようお願いします。

 
 
 湯浴みが終わり、体を拭い、湯を下げさせてしまうと二人きりになった。最初の夜から、行きに私がしたように、ベッドに腰掛けて、フランツ様が背中に薬を塗ってくださった。
「ヴァイスは、あまり変わらないんだな」
「……と、おっしゃいますと?」
「あんなに酷い目にあわされたのに、まだ擦り寄ってくる」
「……擦り寄ってなど!」
 体中がかあっと赤くなった。擦り寄っていた。彼が背中にふれるとその手に無意識のうちに体をおしつけてしまう。もっと。熱い吐息となって願望がこぼれる。恥ずかしさから、うつむいたまま急いでベッドから滑り降り、シャツを羽織り、ボタンを留め始めた。
「ヴァイス?どうして服を着るんだ?」
「裸では部屋へ下がれません。まだ、御用がありますか?無ければもう部屋へ下がります」
「用は無いが……お前の部屋は無いぞ」
 びっくりして顔をあげると、フランツ様の瞳がまっすぐ私を見ていた。
「え?部屋が無い?」
「ああ、お前の部屋は取らなかったんだ」
 一瞬意味が分からず、ぽかんとしてしまった。フランツ様が自分の座っているベッドの脇をぽんぽんと叩いた。
「戻って」
 のろのろと元の位置へ戻って座った。フランツ様の手が伸びてきてボタンをひとつずつ確実に外してしまい、シャツはあっという間に脱がされてしまっていた。相手が服を着ているのに、自分は全裸だという事態は、非常に居心地がよくないものだと分かった。肩を押され、もう一度背中を向けさせられる。彼は、少し離れてじっと背中をみつめた。
 見られているだけで、体が熱くなって来る。心臓の音がだんだんと早まり身じろぎすることもできない。
「あまり、ごらんにならないでください」
「どうして?」
「我慢できなくなります」
 ああ……と納得したように、今度は手を伸ばして抱き寄せ、体重を掛けてきて押し倒す。
「同じ部屋で寝るのは、嫌か?」
「フランツ様」
 溜息のような声しか出ない。拘束も無く、抱き合うのは初めてだった。お互いの手が忙しく相手の体を探る。
「あなたも……服を……脱いでください」
 もどかしく、ボタンをはずし服をひきはいだ。唇を探し、キスを重ねる。急激に視野が狭まり、相手の瞳しか目に入らなくなる。脳が溶け出していく。
「どちらが、入れる?」
 激しい息を付きながら、フランツ様が聞いてくる。一瞬迷ったが、乗りあがって彼を組み伏せた。まったく逆らわずに体を開いてくる愛しい相手の体を前にして、私はオイルを塗るのももどかしく性急に押し入ってしまっていた。
「すみません。痛かったですか」
「お前、乱暴なのが好きなのか?」
「違います。何も考えられなくて……。申し訳ありません」
 くすくす笑われて、ほっとした。お互いの体を清めると自然に体を引き寄せられ、彼の肩に頭をもたせ掛ける。
「抱くのと抱かれるの、どっちが好きだ?」
 私の最愛の人は、真顔で答えられないような事を尋ねてくる。
「どちらも……選べませんよ。まだ、二度目じゃないですか。あなたはどうなんです?」
「抱かれるのは好きじゃなかった。抱くのは興味なかったし……。でも、お前が相手なら、どっちも悪くない」
 嬉しい言葉に思わず彼の体を抱きしめる。お互いの心臓の音が、お互いの呼吸が、胸の中に満ちてくる。
「何か見つける事が出来たのでしょうか?」
 初めて私の頭から、最初の目的がすっかりと抜け落ちていた事に気が付いた。改めて問い返す。
「わからないな。でも、意味の無い焦燥感はなくなったか……」
 フランツ様は溜息をひとつつくと私の頬に手をあてた。
「鞭で打たれた時、何を考えていた」
「あれは、ちょっと……驚きましたね。正直甘く見ていました。あれほど痛いとは思いませんでした」
「私が、もう一度と要求したらどうする?」
「え?今ですか」
「今だ」
「……旅の空ですから、ちょっと手加減してくださいますか?ここで寝込んで置いていかれるのは……嬉しくありません」
「……痛めつける方法は鞭以外にもあるんだぞ」
 体の芯がどこかたよりなく、足元から脅えに似たものが這い上がってくる。それでも、たとえどれほどの苦しみ、痛みであろうとも、彼が私にくれるものに違いは無い。
「……かまいません」
 フランツ様はまた溜息をつかれた。
「怖くないのか」
「怖いですよ」
「平気そうに見える」
「平気じゃありません」
「お前、私を抱いてどう思った?」
「……ぞっこんですよ。何も考えられないくらい」
 フランツ様は咽喉奥でクックッと笑われた。
「さっきまで、本当は、心配だったんです」
 眉をちょっと上げて、首をかしげて話を促してくる。
「私の事を、嫌悪されるのではないかと……」
「私もそれは不思議だった。お前なら大丈夫だと思って任せたんだが、やっぱり最初は素直になれなかった。感じたくなくて、随分抵抗したろう?だけど……嫌じゃなかった。それだけでなく、とってもよかった。ずっと開いていた穴がようやくふさがったような。だから、抵抗するのをやめた。そうしたら、ずっと楽になった。満たされた気持ちにもなれた。お前が抱きしめてくれた時、本当に幸せな気持ちがした」
 私の心臓は、主の言葉に跳ね上がる。「抱かれるのも悪くない」と、言われた事で不安は薄らいでいたとはいえ、そこまで言葉を尽くしてくださるとは思っていなかった。嬉しさで、胸がはちきれんばかりだった。
「ヴァイスが好きだ」
 彼の囁きに体が熱くなる。抱き締めたい。独占したい。
「それでも、お前を苛んでみたいのは変わらない。なぜなんだろうな。一番大事なものを自らの手で傷つけたいと思うのは……」
「それは……私もわかりません。フランツ様もそう思われるのですか」
「ああ……それはヴァイスお前もそうだったろう?」
「はい。恐ろしかった。あまりにも強くそれが欲しかったので」
「だが、お前を大事に思う気持ちに変わりは無い。やっぱりお前もそうだろう?」
 ふと、フランツ様の瞳が翳り、視線がさまよう。
「陛下もそう思ってくださっているのだろうか」
 陪臣の身では、陛下の存念について話すことなどあまりにも恐れ多かった。だが、フランツ様が陛下のことを思い出されると、私の胸はきつく痛んだ。それが、何か、もう私にも分かっていた。嫉妬だ。私は恐れ多くも陛下がフランツ様に手を掛けることに強い嫉妬といきどおりを感じていたのだった。




↓ランキングに参加しています。応援してね。☆⌒(*^∇゜)v ヴイッ
 
 
 馬車の中にクッションを持ち込んで眠る。そして、夜になるとお互いの体を確かめ合う。どちらが抱くかは、その時の成り行き任せの日々。私達は初めて知る愛しい相手との夜に夢中だった。毎夜新しい相手の顔を発見し、寝物語に別れていたころの日々を語り合い、昔の思い出を振り返った。
 重ねる唇はますます甘く。一度味わうともっと欲しくなる。喜びは、何度重ねてもあきる事がなかった。私達はどこまで行けるのだろう。
 だが、蜜月のように甘く幸せな旅はあっという間に終わりを告げ、私達は王都へ帰り着いた。
 到着したその日にフランツ様は衣服を改めると帰還の言上のために、王宮へ伺候された。私は、せめて詰め所まででもいいからお供したいと申し出たが、あっさりとそれは拒否されてしまった。
「お前も疲れているんだし、ただ私の戻ってくるのを待っているだけのために詰めている必要はないよ。留守の間の、雑事が溜まっているはずだから、モレンツに諮って万端整えておいて欲しい。お前を連れて上がる時には陛下に目通りさせたいんだ。最初の登城がみなのお前への印象を決めてしまうから、今後の事を考えれば最初から、私の右腕として連れて行きたい」
 あまりにも正論を言われると、反論できなかった。まったく普段と表情も変えず、特に気負う様子も無く、淡々とした様子で、フランツ様は振り返りもせずに馬車に乗って行ってしまわれた。
 雑事がたまっているとは言っても、その多くはモレンツの采配で滞りなく行われている事の報告を聞くことそれの承認だった。先代の時代から家を取り仕切っている執事なのだから、遺漏のあるはずも無い。むしろ、主人が留守の時にどのように館が運営されて、モレンツがどうやってそれを差配しているのかを、私が理解するために残ったようなものだった。
 覚えないといけない事はあまりにも多い。家の運営から領地の支配はもちろん、宮廷内でのしきたりや政治のしくみ。人間関係。家柄や複雑に絡み合った貴族達の婚姻関係がもたらす力の影響等……。
 一息ついて、夕食を済ませてしまうと、後は自室へ戻るしかなかった。フランツ様の寝室の向かいの部屋を私の部屋として家具を入れ替えて用意されていた。書斎のついた続き部屋で、客をもてなすための居間も備えている。
 館内の私の立場も変わっていこうとしているのだ。湯浴みを済ませて、部屋着に着替えると、もう、することがなかった。フランツ様の図書室から抜いてきた法律の本を開いて、ページをめくってみるが、文字が頭に入ってこない。時計を見上げると早時刻は深夜を廻ろうとしていた。
 私の思考はついに、今日一日何とかして締め出そうとしていた事から逃れようもなくなっていた。帰還の挨拶に伺候すれば、当然陛下にお目にかかる。3ヶ月以上も留守にしていたフランツ様を前に陛下が何を要求されるかを考えると気が狂いそうだった。勝手な想像が頭の中をよぎり、考えまいとしても次々にその様子が目の前をよぎる。両手に顔を埋めて、呻き声を押し殺そうと歯をくいしばる。あの方は何を考えて耐えていらっしゃるのか。
 王はあの方を抱きしめられるのか。キスをむさぼり、服を脱がす……。誰かの手があの人の体にかかると思っただけで、胸が刺し貫かれるような苦痛だった。この3ヶ月の間、あの方の体にさわるのは私だけだったのに。あの方は陛下に笑いかけられるのだろうか。
 フランツ様。フランツ様。……目の当たりにした。背中の傷。苦痛にゆがむ顔。吐息。そして私を見た視線のゆらぎ。自分の目で、手で、肌で、体で確かめてしまった以上、妄想はあまりにも確かな形で次々と襲ってくる。心が引き裂かれるような痛みを感じて、椅子の肘掛を握りしめる。その夜私は一睡も出来ず、椅子の上で反転を重ねた。



↓ランキングに参加しています。応援してね。☆⌒(*^∇゜)v ヴイッ
 
 辺りが明るくなってきたのに気がつき、私はいてもたってもいられなくなって、部屋を出て玄関の扉の前に行った。鍵を外し扉を開ける。……どれくらいぼんやりとそこに立っていたのか。朝日がさしてきて眩しさに目を細めた時、馬車が軽やかな足音を立てて走ってくるのが見えた。思わず扉を押し開き、正面玄関に近づく馬車の扉に走り寄る。馬車が止まるのももどかしく扉に手をかけて開いた。うとうとされていたのかフランツ様はびっくりした様子で顔を上げられた。
「ヴァイス?どうしたんだ。いったい……」
 急いで馬車に乗り込み、フランツ様の首にかじりつく。ギュッと抱きしめた後に、はっと気がついて、急いで手を離した。フランツ様はちょっとはにかんだ様子で私の顔をご覧になっていた。
「ヴァイス。目が赤いぞ。寝なかったのか」
「フランツ様、背中を見せてください」
 物も言うのももどかしく、彼の上着に手を掛けようとした私の手をフランツ様がやんわりとしかしキッパリと押し返した。
「だめだ。ヴァイス、さがれ」
 私は、フランツ様の落ち着いた顔を見つめ、自分がとんでもない事をしたことに気がついて口の中で詫びの言葉をつぶやきながら馬車から降りた。萎れたまま、フランツ様が降りられるのに手を貸す。
「まったく。ヴァイス、私は姫じゃないんだから」
 笑いを含んだフランツ様の声に、先ほどの身分もわきまえぬ行為を許していただけた事にほっとしながらも、一晩中抱えていた不安は消す事ができず、いつの間にか玄関に控えていたモレンツにお湯の支度を頼むと、寝室までぴったりと後ろを付いて上がっていった。
 控えの間を抜け寝室に入ったとたんに、フランツ様は私の肩をつかむと扉に押し付けて唇を重ねてきた。膝を割り、腿を足の間に押し付ける。
「さあ、言ってごらん。何を想像していた?一晩中眠れなかったんだろう」
「フランツ様。陛下は……」
 ほとんど唇がふれ合わんばかりの距離で瞳を覗き込まれ、私は体が急激に火照ってくる。一晩中胸をさいなんだ想像が反転して自分の身に襲い掛かってくるようだった。膝がある意図を持って押し付けられ、私は身動きできずに痛みに呻く。
 フランツ様は十分私をいたぶったと納得すると、力を込めてじんわりと体を突き放した。体が離れると、急にぽっかりとあいた空虚な隙間に風が吹き込むような恐ろしさに捉われ、身震いしてしまう。
 フランツ様は寝台の横へ歩いていかれると、首のカラーに手を掛けると、ほどき始めた。刺繍で飾られた重い上着をベッドの上に脱ぎ捨てる。あちこちを留めつけている小さなボタンも次々と外され、くるくると服を脱いでしまわれると、素裸の上にベッドの上に用意されていたガウンをさっと羽織られてしまう。そして、ゆっくりと振り向かれた。
「見ただろう?どこにも傷は無いよ」
「フランツ様」
「でも、ベッドのお相手はしてきた」
 分かっていたはずなのに、覚悟していたはずなのに、体から血の気が引くのが分かった。両手を握りしめて、歯をくいしばる。その時ドアが開かれ部屋付きの小姓ミハエルが顔を覗かせてお湯を用意が整った事をつげた。フランツ様は手を振った。立場上、私はお辞儀をして下がるしかなかった。フランツ様の身の回りの世話をするのは、ミハイルの仕事なのだ。
 自分の部屋へ戻ると、もう平静な振りをすることは難しかった。椅子の上に、崩れるように座り込む。唇を噛み締め、暖炉の火を見つめては溜息を付く。フランツ様は陛下に抱かれておいでになったのだ。傷が増える事も無く、お苦しみになる事もなかったはずだとさざめく胸をいくらなだめてもだめだった。
 いくら打ち消しても、陛下とフランツ様が床をともにされた事実が胸を苛む。そんな権利は無い。嫉妬する権利は無いんだ。だが、いくら打ち消しても、心は思うようにならなかった。
 ドアを叩く音がしてはっと我に返り、立って行って開けるとミハイルが立っていた。
「旦那様がお呼びです」
 三歩廊下を横切れば、寝室に通じるドアだった。普段はしっかりと鍵が掛かっているドアは内側から開かれていた。すっかりくつろいだ様子のフランツ様はベッドの上に座って葡萄酒を飲んでいらっしゃった。肩で息をしている私を見ると眉を上げて傍らに座るよう促してくる。そして、ベッドサイドのもうひとつの葡萄酒グラスを手渡された。
 フランツ様の静かな様子を伺うと、何をお尋ねするのも僭越な気がして、ただ黙って葡萄酒を無理に咽喉に流し込んだ。やがて、フランツ様は見かねてグラスを取り戻してテーブルの上に置かれ、その隣に自分の空になったグラスも戻される。
「お断りしてきた」
 はっとしてフランツ様の顔を見直す。
「もう、責めのお相手はしかねるとお話しした」
 静かな横顔に食い入るように瞳を走らせる。
「納得されたよ。そのかわりに愛人になれと口説かれたけど」
 フランツ様の声に、ふっと笑いが滲み、私は、呻き声をもらすまいと唇を噛み締めた。気配を察したのか、振り向いたフランツ様はさっと手を伸ばして私の唇にふれた。
「口を緩めるんだヴァイス。傷が付くだろう?」
 フランツ様はちょっとためらわれて、それからその唇に唇をかすかにふれあわせた。唇が離れていこうとする時、思わず追いすがろうとしてしまい、押し返されてしまった。フランツ様が顔をしかめる。
「血の味がするぞ。まったく」
 薄く微笑まれると、ぺろりと唇をなめられる。私は背筋がぞくぞくするのを抑えられなかった。
「それで、仕方なく……お前の話をしたんだ」
 自分の瞳が驚愕に見開かれるのを止めようが無い。話が非常に危ない綱渡りを彼にさせたことをうかがわせる展開になった事に、私は冷や汗が滲んでくるのを感じた。
「陛下は、お前と私を分け合う事を承知されたよ」
「それは……」
 分け合う?あなたを?私と王で?
 私の胸に冷たい氷の楔が打ち込まれる。その瞬間、私はフランツ様を半分失った事を突きつけられたのだ。蜜月は終わりを告げ、あなたの全てが私のものだった日々は終わりになった。当然過ぎるほど当然の事実。そうだ。自分のものだと思う事の方が間違いなのだ。それは、分かっている。だが、体を支配しても王があなたの心を得る事があるとは想像していなかった私にとって、それはわが身を引きちぎられたほどの苦しみでもあった。
 手が震える。彼に知られてはならない。私はその手をベッドの角に押し付ける。自分の浅ましい思い。嫉妬と独占欲を悟られまいとして、私は身もだえしたいほどの苦しみを必死になって押さえつけた。
「だが、お前は私のもの。私だけのものだ」
 ゆるゆると目を上げると、フランツ様が私に突きつけていたのは、皮で編まれた一本の鞭だった。
「そうだろう?」
 静かな波がひたひたと寄せてくる。あるべきものは、あるべき場所へ返る。私の想いも。あなたの想いも。私の一生はあなたのもの。あなたに捧げられたものなのだから。私はベッドから滑り降りると、フランツ様の前にひざまずいた。そして、一度だけ彼の瞳を強く見つめ返してから頭をたれ、その鞭にくちづけた。






↓ランキングに参加しています。応援してね。☆⌒(*^∇゜)v ヴイッ


 ヴァイス。ごめんよ~。σ(^_^;)アセアセ...ハッピーエンドにしてあげたかったんだけど、この先もずーっといろいろ、いろいろひどい目にあってください。君の人生は艱難辛苦の連続だぞ。何しろ開き直ったフランツほど怖いものは無いのだ。じゃあ、じゃあ、頑張ってくれたまえ。退場。あ、皆様よろしければ、感想をお願いします。m( __ __ )m

 母の日が近づいているので、アフリエイトからお花を注文しました。ほとんど利益が出ないとはいえ、自分のやってるアフリエイトから注文するとささやかながら割引が・・・・。(笑)消費税の分くらいは節約できますよ。皆さんもブログを持ちましょう。ヾ(@^▽^@)ノ
いや、正直に言うと自分の欲しいものばかりを貼り付けてあるので、買い物をしてるのはほとんどさやかばかり。ヾ(▽⌒*)キャハハハo(__)ノ彡_☆バンバン!!そうそう、アフリエイトから注文しても、さやかにはお買い物をされた方の情報は一切分かりません。安心して注文できますよ。

 大好きな人を誰かと分け合う事ができるものでしょうか。SMの世界では「多頭飼い」と称して、一人のSが、複数のMを面倒見ることがあります。博人君が何人ものお相手をキープしていたアレです。もちろん博人君の場合は、すべてお預かり奴隷とノラ君の浮気のお相手だったので、飼っていたわけではありません。だから、どちらかといえば、高原氏がやっているような行為ですな。(高原氏ははっきり言って人でなしですから。)
 真っ向勝負の絶対の主人でありながら、よそに他にも奴隷を飼っているって言われたら辛いでしょうねぇ。特に有名HPや有名ブログを持っているような、S暦の長い方等、やっぱり憧れの対象になってしまい、すごくもててしまうわけです。きっと毎日が火に炙られるような日々でしょうね。

 それを考えると、ヴァイスにはひどいことしちゃったなぁ・・・って想います。でも、ほんとにヴァイスって、書きにくいキャラだった。なんか日によって口調が違うし、いつもうじうじとただひとりのご主人様とか言って陶酔してるし・・・ただ、書いてる間、心底ヴァイスみたいな下僕が欲しくなりました。

 悩んだだけに終るとメチャ脱力してしまいました。で、次のキャラが( ̄∇ ̄;)ハッハッハ真っ白。・・・・と、言うわけで助っ人高原弓人につないでもらいます。博人番外編、短いお話だからすぐ終れると思います。でも、短い間に次の登場人物をひねり出せるかどうかは・・・・自信ありませんが。とりあえずは高原に会ってやってください。

 よろしゅうお願い申し上げます。

追記・サディストの彼にトラックバックをくれたせつなちゃんありがとう。せつなちゃんのために本宅でショートストーリーを書きました。読んでね♪
→可愛いせつな2


Sのテクニック



 ホテルのバーへ行くと、すでに彼はそこに座って待っていた。今、そこのパーティーを抜け出してきたばかりといった光沢のあるダークスーツを着て席にゆったりと座っている。ソファがくるりとテーブルを囲むように馬蹄型になっているボックス席だった。四十代、誰もが振り返って見とれるいい男ぶりだ。血のつながった叔父に見とれてもしょうがないのだが、本当なのだから仕方ない。
「叔父さん、待ちましたか?」
「ああ、待った。遅いぞ」
「すみません。教授の話がなかなか終らなくて」
「待て。座る前にこれを入れてこい」
 最初からそう考えていたのだろう。腰を下ろす前に、有無をいわさぬ口調で、手を差し出してくる。手のひらに乗っているものを見て思わず呻いた。コックリングにつながった形のアナルローターだった。形状から言ってリモコンで動くタイプのようだった。それも、日頃インターネットで売り買いされている安物と違い形といい、材質といい、どうも特注品のようだった。おそらく効き目もそれなりに違うのはまちがいない。
「化粧室はあっちだ」
 指差された方を上の空で見て、手を伸ばしてローターを受け取る。我ながら逃げ出したいような気分だったが、ここまで来て逃げたら叔父にどんな目に合わされるか知れたもんじゃなかった。結構執念深いだけでなく平気で酷いことの出来る人なのだった。意を決してトイレの個室へ移動した。ホテルのトイレはどこもかしこもぴかぴかで、贅沢なつくりだった。
 ベルトを外してズボンを下ろし、眼を閉じて状況を頭から締め出す。こんなところでオナニーをするなんて正気の沙汰じゃなかった。いくら、若くてSMが好きだといっても、こんな状況では勃ちそうには無いのも男の神経の悲しさだ。どうしようもなく、動かないローターを使ってアナルを刺激しながら擦ってみる。
 時間が掛かればそれだけ後であれこれ言われるに決まっている。涙ぐましい努力のかいがあって、ようやくしっかりと勃ち上がったペニスに、リングをはめてローターにスキンを被せてから、アナルへ押し当てた。息を吸い込み、吐きながら押すとするりとアナルの中にもぐりこみ姿を消した。指を少し差し入れて、ローターの位置を調整する。自分の感じる場所はなんとなく分かっていた。
 元通り服を直して個室を出ると手を洗い、鏡を覗きこむ。たったこれだけで頬は上気して目は潤んでいる。顔には、「やりたい」と書いてあるようで、このまま人前に出るのかと思うと正直げんなりしないでもなかった。
 僕は博人二十歳。この春で大学二年生になった。連れの男性は、高原弓人。僕の母の弟。そして、僕が最近始めた事業の出資者でもある。それだけでなく、最近ひょんなことから叔父がSM愛好者だという事を知った。
 幼少期から自分の持っている倫理観に真っ向から対立する自分の性癖に、いたく悩んでいた僕は、このチャンスに跳びついた。何らかの解決策を示してもらい、まっとうな人間に戻るにはどうしたらいいのか教えてもらおうと思ったのだ。まあ、僕の相談はまったくの無駄だったけれど。
 叔父はすでにすっかり達観してしまっていて、SM道をまっしぐらという状態で、困惑する僕をあっという間に、自分のテリトリーに引き入れたのだ。
 フェティッシュバーやハプニングバーへ伴われて行かれ、初心者向けの緊縛の講習会や男女の身体をトルソーのように愛でるパーティー。はては、決まったパートナーの無いMの性癖を持つ女性や男性を囲んでの乱交パーティーと、叔父に連れまわされるうちに、足を洗うという当初の目的は跡形も無く霧散してしまった。
 僕は、まだ自分のパートナーがいない。若さも手伝ってか自分のパートナーを持つ時は、好きな相手をと思っていた。叔父はそんな僕を笑うが、SM抜きでもままごとの恋愛しかした事のない自分に、一人の女性の人生を引き受けるのはあまりにも重過ぎる。ごねる僕に、叔父は相手の見つからない女性の一時預け先になる事を提案してきた。
 それは、ただプレイのためだけの関係なのだけれど、一対一で個室でプレイして付き合っていかなければ、結局は何も身につかないぞ、と、正論で諭されて、しぶしぶと相手を引き受ける事にした。
 女性は32歳で、もうすでに長い期間をある男性に飼われていたらしい。どういういきさつで切れてしまったのかはわからないが、間があくこと2年。相手がみつからなくて、叔父に相談してきたということだった。何件かのお見合いもしたらしいのだが、うまく折り合いが付かず宙に浮いた形になっていた。
 先日、叔父の家で偶然会った。着物を着たすっきりと美しい女性で、どこをさわってもやわやわと淡雪のようにとけてしまうのでは、と思わせる不思議な印象だった。これだけの女性だから、希望に適う相手が見つからないのも仕方ないと思わせるだけの美しさを持った人だった。
 叔父が相手を出来れば一番いいんだろうけど、叔父はどういうわけか、女性の相手はしない。……本当はバイセクシャルだという事は分かっている。そう、誰が見ても溺愛しているお人形のような奥さんがいるのだから。
 叔父に伴われてあちこち顔を出したり、縄師の先生について縛り方を指南してもらったりしたから、ある程度の知識はあった。後は、経験と慣れと、押し出しと度胸を積むのみ。それに今回お付き合いする女性はすでに長い事仕込まれた人なのだから、反対に教えを請う形で水先案内を頼むという事で承諾をもらっている。だが、それでも一人でその女性とプレイするのにはいくばくかの不安が残る…。いくら若造の僕でも、それなりのプライドはある。Mのお相手に手取り足取りされるのはかなわなかった。しかし、叔父のお供をしてきた半年。何度も叔父のプレイを見て自分のものにしようと、必死に努力してきたが、どこか違和感がつのるばかりだった。
 何かが違うのだ。タイミング?それともテクニック?年齢や経験だけじゃない何か……引き受ける女性と二人で会う日が近づいてくるにつれ僕は焦った。
そして、迷った挙句に叔父に僕を相手にプレイしてくれるように頼み込んだのだった。自分で経験するのが一番の早道だと言って。




↓ランキングに参加しています。応援してね。☆⌒(*^∇゜)v ヴイッ


 席に戻ろうとしてどういうわけか随分混んでいるのに気がついて、ちょっとうんざりした気分になった。女性客がやけに多い。そして、ちらちらとボックス席に座っている叔父を見ているのだ。はっきり行って叔父は美丈夫で魅力的な男だ。こんな場所で人待ち顔に飲んでいれば、女性の注目を集めても仕方ない。だが、あの前に座って、今から何をされるのかを考えるとまったく嬉しくなかった。
「ああ、来たな。ちゃんと勃ったか」
 僕はぐるりと目を廻して見せた。遠慮の無い口を両手でふさいでやりたい。多分、今の一言で、ちらちら見ていた女性達はすっかりと耳をそばだててしまったはずだった。
 徹底的にやるつもりなんだなと思うと、それだけで身体が熱くなってきた。刺激的な事をすると考えると性癖には関係なく興奮するものらしい。憮然としたまま、僕の席に運ばれてあったウィスキーを口に運んだ。とにかく少しでも酒を入れないと、とても素面では耐えられそうになかった。
 と、叔父がおもむろにテーブルの上にリモコンを乗せる。分かっていても、こうあからさまに見せられるとたじろがずにはいられない。
「これが、スイッチだ。それから、ここがアナルローターの強弱。こっちはリングの振動のスイッチ。それから、強弱」
 リングまで振動するのか…。僕は情けない思いでリモコンを見つめて、黙って叔父の説明を聞いていた。
「入れるぞ」
 そんな大きな声で言わないでください。僕は心の中で文句を言った。だがその時はもう身体がびくっと反応してしまっていた。目をつぶって体の中の振動を味わう。
「こっちを見て」
 叔父に促され、眼をあけて彼の目を見る。心から嬉しそうに微笑んでいる。すごく楽しんでいる。酷い男だ。
「感じるか?」
 これ以上喜ばせる理由も無くて、平静を装って黙ったままうなずいた。
「強くするぞ。視線をそらすなよ」
 ゆっくりとつまみが廻されるとともに、身体の中の振動が強くなってくる。叔父の顔を見つめたまま、その振動が強くなってくるのを身体で受け止める。強い快感がせり上がってくる。グラスから離した手を思わず握りこむ。手が震える。急に振動の強さが弱まり快感が遠ざかる、そして、またじわじわと追い上げられる。
「あ…」
 くそっ。今のはきっと聞こえてしまったに違いない。叔父の遠慮の無い説明で、ここで何が行われているのか気がついている客もいるはずだった。握った手を意識してゆるめ肩の力を抜こうと無駄な努力をした。余計な事を言わないように、自分のこぶしを口元へ持っていった。
「どうだ?」
 わかりきっていることを聞きながら、眼の中を覗き込んでくる叔父を思いっきり睨みつけた。
 だが、いくら平気な顔を装おうとしても、もう、うまくいかなかった。耐え切れずに大きく息を吸い込む。唇に押し当てた曲がった人差し指の第二関節に歯をたてた。叔父は意地悪く、強弱をうまく操って、追い上げてくる。一定の振動が続くよりもずっと快感が強くなる。
 リングに拘束されているはずのそこもあからさまに反応してしまっていた。じっと座っていられず、つい座りなおしてしまうつと、その時リングの方が呼応するように動き始めた。
「くっ」
 ダメだ。押さえられない。眼をつぶってやり過ごそうとしても、身体の方は勝手に暴走を始めていた。周囲の視線を感じる。他人の前で、責められるということがどういうことなのか、ローターの振動で身体の芯に刻み込まれているようだ。
 もうだめだと思った瞬間、パチンとスイッチが切られる。ぽっかりとあく空白の時間。冷や汗が吹き出して来る。じっと待っているのさえ辛く感じる……テーブルの端に爪を立てるようにして握りこむ。視線を上げられない。必死に床の模様を眺めている振りをして浅い息をくりかえす。熱くなっていた体を少しでも落ち着かせようとして…。
「もう、一度だ」
「あうっ」
 二度目は、いきなり強い振動から入った。
「博人。顔をあげるんだ」
 おそらくは、すっかりと上気して快感にとろけている顔をさらすように命令される。目を上げて叔父の顔を見た。
「まったく、色っぽい眼をして。だれにもやりたくなくなるな」
 冗談でしょう。あなたの物になんて絶対になりませんよ。必死で喘ぎを押し殺そうとしながら毒づく。リングとローターが交互に強くなる。まっすぐ座っていられなくなって思わず腰をひねった。見られているのが分かっていても平静を保つことが出来ない。
 我ながら馬鹿正直に、前立腺の位置にぴったりとあわせたローターが恨めしかった。ぐううっと強くなった快感が限界まで迫ってくる。まずい。息をつめて、何とか押さえようとしたその瞬間。叔父の手がテーブル越しにさっと伸びて肩をつかまれ引き寄せられた。熱い唇がぴったりと押し付けられたと思うと、あっという間に口の中に進入されていた。しまった。と思った時には遅かった。叔父はめちゃくちゃにキスがうまいのだ。ぱあっと世界が弾けて、こんな場所で逝ってしまっていた。



↓ランキングに参加しています。応援してね。☆⌒(*^∇゜)v ヴイッ



 背もたれにぐったりと寄りかかり、赤の他人の注目の前で叔父にキスされながら逝ってしまったという事実を噛み締めた。叔父は満足げな微笑を浮かべてウィスキーを飲んでいる。この人の神経はザイルで出来ているんじゃないだろうか。人前で男にキスしておいて平然としたものだ。まだまだ、学ぶことはたくさんある…一緒にいるといつも思い知らされる。
「博人、おいで」
 ここで、逆らってもしょうがない。叔父の肩に体重を預けて、逝ってしまった後の快感の余韻を楽しんだ。
「部屋へ行くか?」
 このままで?僕の眉が上がったのを見て、叔父は苦笑すると立ち上がるように態度で促して、化粧室へリードした。逆らいようが無い、有無を言わせない態度。抵抗すればかえって人目を引くだけなのでおとなしく個室に連れ込まれる。両手を壁につくように言われしぶしぶと従うと、すばやくベルトを緩められズボンを引き摺り下ろされた。この年齢にになって叔父にこんな姿を見られないといけないのは思いっきり情けなかったが、しかたなかった。
「リングがあるから射精しないと思っていたのに」
「それほど強く締め上げるタイプじゃないんだ。振動するようにしたからな」
 溜息をつく間もなく下着まで引き下ろされてしまう。むき出しになった身体を、いつのまに持ってきていたのか、テーブルの上に置いてあったお絞りでさっさと拭われてしまった。
 あっという間に脱がされた下着と一緒にダストボックスに捨てられてしまう。こんなところに捨てていくのか。と、内心、今日で一番にしり込みする心を叱咤している間に手早く服を直された。何か言う暇も考える時間すらもなく壁に押し付けられてキスされていた。
「う……」
 首を振って逃れようとしたが、上手にいなされて壁に押し付けられる。上から覆いかぶさられるともう逃げようが無い。深く、深く、息もとまるようなみだらなディーブキス。それだけで危うく逝ってしまいそうになって、必死に胸を押し返す。
「どうした?」
「酷いですよ。手加減無しなんだから」
「キスくらいでおたおたするほどうぶでもないだろうに」
「あなたがうますぎるんですよ。腰が抜けそうだ」
 ふうん。と、感心したようにうなずきながら身体を離してから、叔父はじろじろと人の身体を嘗め回すように眺める。
「なんです?」
「いや、おまえMでもいけるんじゃないか?」
思わせぶりに笑いながら肩をつかんで、壁にもたれかかった身体を立たせてくれた。思わずかあっと顔が赤くなった僕は勢いに任せて、ドアを開けて外に出た。あああ。これで終わりだったら、腹立たしさに任せて帰ってしまえるのに。歯噛みしても仕方なかった。今夜は叔父の手のひらの上に乗っているも同然の立場なのだから





↓ランキングに参加しています。応援してね。☆⌒(*^∇゜)v ヴイッ
 

 エレベータで、リザーブされている部屋へあがった。このホテルは叔父のホテルだから、何度か一緒に利用した事がある。あきれた事に叔父は一番広いスイートに、一般の人間にはわからないように設備を改造してプレイルームにしてしまっていた。
 まるでインテリアの一部のようになっている部屋の真ん中にある柱には、飾りのような請った彫りこみの金具が打たれているし、天井は徹底的に補強されていて、なぜかシャンデリアを吊るすための設備があちこちに取り付けられている。(もちろんそこにシャンデリアはついていない。)部屋のあちこちには、配線が張り巡らされていて、コネクターに差し込むだけでいろんな電動器具が使える。設備を知っている人間が20分もあれば、あれこれと機械を取り付けて完全に電動式のプレイルームにすることが出来るのだ。
「シャワーを浴びるか?」
 部屋に入ると、叔父はまっすぐ部屋の中央のテーブルに載せられている呼吸させてあるワインの所へ大股で歩いて行く。手馴れたしぐさでコルクを抜くと、グラスに注ぎ分けてくれた。僕は部屋のあちこちにさりげなく置かれているいろんな形の椅子のひとつに座ると、おとなしくグラスを受け取った。
「叔父さんお先にどうぞ」
 鷹揚にうなずいて、叔父はバスルームへと消えていった。最後にちょっと振り返ると、にやりと笑って念押しする。
「逃げるなよ」
 叔父が視界から消えると、僕はほっとしてソファにもたれかかり、今だけはと自分に言い聞かせながらワインを楽しんだ。風呂に一緒にと言われたらどうしようかと考えていたので、緊張が抜けてすっかり脱力している。この部屋の風呂はものすごく広い上に大きな鏡まで付いていて、しかもシャワーフックやバスカーテン用のバーに見せかけて、吊りや拘束が出来るようにしてあるのだ。
 さっきのローターのせいですっかり敏感になって汗に濡れた身体を吊るされて叔父の手で洗われると思うと、ひるまずにはいられなかった。自分が思いのほか感じやすい身体をしている事は薄々知っていた。あっという間に叔父にもばれてしまうに違いない。僕は今夜何度目かの後悔のため息をついて、ソファに沈み込んだ。
 叔父と入れ替わりにシャワーを浴びた。まず、コックリングを外して、それからローターを引き出す。ずるりと引き出されるそれの感触に思わず眼をつぶる。身体中に泡を立てて、ゴシゴシとこする。強い刺激を先に与えておけば、いくらかは持ちこたえられるはずだった。
 そんな事で、叔父に太刀打ちできるとは思っていなかったが。もう一回自分で、抜いてしまおうかとも思ったが、最初の目的がどこかへ行ってしまいそうで下手な小細工をすることは諦めた。髪の毛をある程度乾かすと、備え付けのバスローブを羽織ってバスルームを出た。
 叔父はすでに、天井にある金具のひとつにかけてあった鎖を下ろして、吊りの準備をしていた。鎖の先には縄を引っ掛けるフックがつけてあり、黒光りしたそれはあまりにもまがまがしく、被虐感を強く刺激する。バスルームのドアに張り付いたまま、一晩中動きたくない気分だった。そんな自分を叱咤して、叔父のそばに行った。
 叔父の技術見たさに思い切って頼み込んだのに、それを余すところ無く発揮されると、自分は彼の責めに付いていけないような気がして来ている。その臆病さを叱咤しようと、自分からバスロープを脱いで両手を差し出した。さっさと吊られてしまえば、もう、逃げようが無い、心の中の逡巡も一掃されてしまうだろう。叔父は、そんな気持ちを見透かしたように、手首を取り、そこに指を這わせる。
「縛られた事は?」
「まだ一度も」
 ふうん。と、眼を覗き込みながらそっと手首を持ち上げて手を返し、脈のあるそこへ唇を押し当てる。思わず息を飲むようなしぐさだった。ちろちろと手首を舌で刺激されるとあまりにも気持ちがよかった。
 あっという間に、一度逝った身体が反応し始める。それから、ひどく恭しいしぐさで、手首をひとつにくくられ、フックに引っ掛けられた。リモコンのスイッチを入れると、ブーンという音と共に鎖が巻き上げられ、それにつれて両手は頭の上に上がって行った。徐々に身体が伸びていく間、叔父はずっと僕の眼を見つめている。
 反応を見られている。そう思うと見返す勇気も無く、眼をそらさずにはいられない。身体がぴんと伸びきり、ゆっくりと踵が上がっていく。つま先が宙に浮く寸前にスイッチは切られ、僕は頼りない足元を探って何とか床を捉えていた。さあ、これでもう逃げようが無い。観念するしかないんだぞ、博人。自分に言い聞かせ。思い切って息を吸うと、顔を上げた。
 目の前に、裸で手首を縛られて吊られた身体が大きな鏡に映っているのを見て感心した。この部屋は、実にさりげなく何もかもが自然に見えるように配置されていて、誰にも本来の目的を気付かせないようにしてある。それでいて、ポイントポイントをしっかり抑えてあるので、プレイルームとしては実用的に出来ているのだ。




↓ランキングに参加しています。応援してね。☆⌒(*^∇゜)v ヴイッ


 後ろから自分も裸になった叔父の熱い身体が重なってくる。鍛えられた筋肉のずっしりとした身体。さらりとした肌触りが思いもかけず心地よかった。
「博人。お前、男に抱かれたことがあるのか?」
「え?」
 思わず叔父の瞳を鏡の中に探す。
「いや、ありませんよ」
「お前くらい綺麗な子供だったら、いくらでも、ひくてあまただったろうに」
「何度か、誘われたことはありましたけどね。抱かれたいような相手じゃなかった」
「抱いてみたいと思ったことは?」
 叔父の手が身体を撫で回してくる。これは…うまい。うますぎる…。
「いいえ…。叔父さん。ちょっと、待って。あ…」
「待てないな」
 首筋に熱い吐息がかかりぴったりと押し付けられた口が這いずり回った。総毛だち思わず伸び上がる。
「うっく。あ…」
 首を振って、感覚を追い払おうとしたが、あっという間に頭を抱え込まれた耳たぶにしゃぶりつかれる。耳の穴に熱い息が吹き込まれる。
「は…」
 縛られてつられている体は抵抗のしようが無かった。叔父は吊られた身体を好き放題まさぐった。もがいても抗っても、容赦なく責め立てられる。のけぞりねじれる身体を思う様弄られた。快感が限界まで迫ってくると、じんわりといなされる。その繰り返し。いつの間にか、逝くことばかりを焦れるように待ち焦がれてしまっていた。
「だめ。叔父さん。もう、限界…」
「なんだ。だらしないな」
 ようやく懇願して離してもらった。吊られたまま、腹を喘がせて息を整える。なんて、テクニックなんだ。自分がまだまだひよこで、何にも知らないって事を思い知らされた。ようやく、息をついて顔を上げると叔父は肘掛け椅子を引きずってきていた。不審に思う間もなくすぐ側に椅子をすえて座った叔父は、かがんで僕の足首を捕らえ、膝の後ろを押して足を抱えあげた。叔父が何をしようとしているのかが分かって、僕は慄然とした。
「叔父さん。それは、ちょっと…やめてください」
 叔父はびっくりしたように顔を見つめて来た。そして眉をわざとらしく上げて首をかしげる。
「……やめて欲しい?」
「ああ、だって、僕は足が弱いんです。あなたにされたら、我慢できそうにありませんよ」
 やんわりと、足を引き抜こうとしたが、叔父はがっちりと抱え込んでしまって話してくれない。
「どこが、弱いって?」
「だから…足が…。叔父さん。待って。ダメ!」
 膝にぴったり唇が押し当てられる。舌が膝の丸みに沿って嘗め回し始めるとくすぐったさにたまらず、思いっきり足を引き抜こうともがいた。
「こら!暴れるんじゃない」
「だって。酷いですよ!そこはやめてくださいって言っているでしょう?」
「博人。お前、今、何をしているのか分かっているのか?」
 ……返す言葉が無い。
「いいか。今から俺がこの膝をじっくりと可愛がっている間…そうだな10分間絶対に足を動かすな。ちゃんと我慢するんだぞ」
 冗談でしょう?叔父は立ち上がり、腕時計を持って戻ってくる。アラームをセットしている。どうやら本気らしい…。何とか逃げられないかと辺りを見回してみても、両手を吊られているのだ。逃げ出しようが無い。正直耐えられる自信は露ほどもなかったが、改めて足を抱え込まれても、逆らうことも出来なかった。
「綺麗な足だ」
 そんなこといわれても嬉しくありませんってば。椅子の背もたれに踵を乗せられる。
「動くなよ」



↓ランキングに参加しています。応援してね。☆⌒(*^∇゜)v ヴイッ
 
 だめですってば。眼を瞑って、身体を硬くするしかなかった。ふたたび膝に押し当てられた唇がねっとりと動き始める。あっという間にさっき逝かせてもらえなかった中心が、跳ね上がって下腹を打った。手を握りしめ、手枷を思いっきり引く。何か、他のことを考えて何か…。
 だめだ。身体全体が思いっきり敏感になってしまっていた。抱えた膝を舐めながら叔父が手のひらを腿や足首にさまよわせてくると、気が狂うんじゃないかと思うほどのくすぐったさと快感が這い上がってくる。くるぶしを捕らえられ撫でまわされると足を腿の根が攣りそうな位に引きつらせてしまう。
 叔父は容赦なくありとあらゆるテクニックを駆使して足を舐りまわしながら、足の甲の骨の筋に沿って指を這わせてくる。背もたれに乗った踵を動かないために必死に椅子に押し付けた。少しでも痛みを拾って気をそらせないかと身体をつっぱらせて足首に力を入れた。耐えられない。耐えられない。だめだ…。あ!だめっ。
 考えてもいなかった場所を叔父の舌が、唇が這い回るともう忍耐が続かなかった。半狂乱になって、足を取り戻そうともがく。だが、待ち構えていた叔父にしっかりと足は捉えられていて逃げようが無い。強い快感が急激に身体を駆け抜ける。あ、逝く。……その瞬間しっかりと根元を握られて押し戻される。翻弄される。太刀打ちできない。
 アラームが時を告げるのをぼんやりと聞きながら再び溜息をつき…欲望に曇った眼を叔父に向けた。
「…参りましたよ。死ぬかと思った」
 叔父は咽喉の奥で嬉しそうに笑った。
「お仕置きだな」
 嘘つき。最初から鞭を使うのは予定のうちだったでしょう?そう思いながらも、計算された展開に、自然にうまくのせられている事態に舌を巻かずに入られない。手枷に思いっきり体重を乗せてしまったので食い込んで痛かった。背伸びをして、少し緩めてやる。
 鞭が取り出され、このまま一気に鞭打ちまでいくつもりなのが分かった。僕でも、この展開ならそうするだろう。手を抜かずに、追い詰める。うまいやり方だ。だが、責められる側にしてみれば、ここで、休みが入らないのは本当に辛い…。溜息をつきながら足元を確かめて踏ん張った。
 最初から一本鞭が出てくるなんて聞いてなかった。当然ながら、僕はまだ鞭で打たれた事がない。家で試しに自分の腿を打ち叩いて練習した事はあったけれど、派手な音がするので、思いっきり叩いた事などない。
 鞭で責めた事も数えるほどだ。それもバラ鞭や乗馬鞭だったし、お試しコースだった事は否定できない。一本鞭の威力は眼にしたことがあるので、知っている。どんなに厳しく調教された人でも、こればかりは悲鳴をあげる。おびえが足元から這い登ってくる。
 叔父が鞭をひゅんひゅんと鳴らして見せるのを怖いもの見たさに追わずにはいられなかった。
 ぞろり、と鞭で背を撫であげられた。お約束の行為なのに、思わず伸び上がり身体をそらせてしまう。人間、分かっていても、そうせずにはいられないって事があるのだと思い知らされる。
「百」
 僕は、今度は恐ろしさでギュッと眼を瞑った。どうも、責められる側にいると、眼は開けていられないらしい。叔父の鞭使いがどれほど的確か、傍らで見ていてよく知っていた。
 一発目が背中を斜めに振り下ろされる。歯を喰いしばり必死に身体をこわばらせていても、何の役にも立たなかった。恐ろしいほどの痛みが身体の中心を切り裂いたかと思うと、意に反して身体が捻れ、のけぞり、跳ねて落ちた。手首に強い衝撃が掛かる。痺れるような痛みが身体中にじんじんと拡がっていく。頭を振って意識をはっきりさせようとした時、すでに二打目を振りかぶる叔父の姿が鏡の中に見えた。
 悲鳴を上げまいと、必死に押し殺す。身体中からどっと汗が吹き出す。アドレナリンが駆け巡り、心臓は早鐘のように打ち始めていた。ショックのために息が吸えない。続けて次が来る。構える間もなかった。くるりと巻きついた鞭の先がわき腹から足の付け根の柔らかいところにくるりと巻きつく。あまりの痛みに絶叫してしまっていた。足が勝手に跳ね上がる。Sの自尊心なんか何の役にも立たなかった。
 その後は、数を数える余裕すら無かった。薄らいでくる意識の向こうで、緩急をつけて打ってくる叔父のリズムを捕らえようとする自分がこっけいにも確かに残っていた。だが、身体は勝手に鞭を避けようと無様にあがき続け、打ちのめされてはのたうった。生理的な涙が溢れ、もう、耐えられないと必死に懇願する。
 泣こうが喚こうが鞭打ちは続き、だんだんと強く、痛みも喰い込んでくる様だった。何発目だったかわからない。意識が真っ白になったと思うと墜落するような急激な感覚と共に強い快感が身体の中を走り抜けた。ブラックアウトが起こり、かすかに叔父の腕が弛緩する身体を抱きとめてくれたのを感じたが、その後はなにもわからなくなってしまった。




↓ランキングに参加しています。応援してね。☆⌒(*^∇゜)v ヴイッ