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 明け方の夢を膨らませて作った、切ないSMの物語


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性的、暴力的な表現を含んでいます。
虚構と現実の区別のつかない方
18歳未満の方はご遠慮くださいませ。
自己責任に於いて閲覧していただきますようお願いします。

 
 
 旅の夜。私の手の下で苦痛に震えていたあなた。愛している相手に自分の手で与える苦痛がこれほど甘いものだとは、知りたくなかった。ただひたすらに守り仕えてさえいれば満足だったのに。自分の欲望のままに突き上げ、暴走する私を、縛られて身動きが出来ないはずの彼が体で軽くいなす。
 舌を巻くほどの巧みさであやされて、彼が私に合わせて一緒に高みに駆け上がるに任せた。貪り食った相手の中に精を放つと、急速な墜落と降下にめまいさえした。痺れた手を伸ばして自分で縛った縄をほどく。フランツ様は、ぐったりと私のするがままに任せている。
 私は、息も絶え絶えになりながら、相手の体を強く抱きしめた。今だけは、今この瞬間だけはあなたは私のもの。そうでしょう?フランツ様。
 私のただ一人の主……。
 朝日が鎧戸の隙間からさし込んでくる頃、寝台の上でうとうととしていた私は、フランツ様にくちびるをついばまれて目が覚めた。昨日の夜は私の腕の中で啼いてらした方が、もうすっかり、元の主の顔に戻ってしまっていた。
「ヴァイス、お前は私の物だ。約束しておくれ。私を離さないと」
 私は、湧き上がる喜びに胸を詰まらせた。彼の蒼い瞳が眩しくて、ちょっと目を細めながら、必死で微笑んだ。
「フランツ様、お誓いいたします。終生私はフランツ様の物です。命に代えてお仕えいたします」
フランツ様は安心された様子で私の胸に頬を押しつけた。
「ありがとう。ヴァイス」
 私は満ち足りた気持ちで、彼の体を抱き寄せた。
 その日、フランツ様は、館全体に王都に戻る準備を命じられた。すべての、事務処理は終えられ、私の回復を待つばかりになっていたらしい。正直、留まれるものなら、ずっと王都に帰還せずにいたかった。
 王都に帰れば、私と彼の間は隔てられ、どれほど願っていても、いつも一緒にお供が適うというわけではない。いずれは、彼の片腕にと念じてはいるし、亡くなられた公爵もそのために私をフランツ様のおそばにつけられたのだと分かっていても、まだまだその時は先の事。
 身に付けねばならない事が多くあり、王宮での身分も公式に得なければならない。だが、彼のような立場の人間が、いつまでも領地に留まれる訳ではなかった。私達は、ほんの数ヶ月前に辿ってきた旅路を帰ることになった。
 行きの旅と帰りの旅は、私にとってはまったく違う色合いを帯びてしまっていた。いや、体を重ね合わせたとは言っても、決して越えられない隔ては無くなることは無い。フランツ様もさすがにそこは心得られているので、そこをあやふやになさることはなさらなかった。私は彼にとっては臣下であり、私は彼に属するものなのだ。
 だが、一度知ってしまった事を無かったものにもできない。ちょっとしたしぐさ、視線、言葉、そして、お世話をするときにふれる手が私を惑乱させた。彼が欲しかった。もっとお側近くに寄りたい。彼に触れたい。一瞬一瞬が、渇望の連続であり、それを抑えることは拷問に等しかった。
 そして、それが彼をおもしろがらせた。私が顔を赤くして視線をそらすたびに、嬉しそうに微笑まれる。わざと体を寄せてきて、私の気持ちをあおる。人の目の多い昼間は、決して立場を超えた振る舞いが出来ないのを見越しておられるのだ。
 私を苛んだのはそれだけでは無かった。夕食の後、フランツ様は湯浴みをされる。そのお世話をするのはいつも私の役目だった。まったく無防備にさらされる彼の体に手を掛け、震える手で体を洗う私に、彼はそれ以上のことを決して許さなかった。そこまでは、彼にとっても私にとっても日常のつながりの中だったから。
だが、そのつながりが途切れる時がやってくる。フランツ様は、湯を新しく入れなおさせると、彼の目の前で私に湯浴みをするように命じられるのだ。
 それは、行きの旅で繰り返された儀式だった。一週間、医師が毎日治療してくれ、安静に過ごしたせいで私の背中の傷は順調に回復して、行きの旅のフランツ様のむごたらしく傷ついた背中のようには生々しい傷ではなかった。
 それでも、まだ痛む傷跡の残る体を彼の前にあからさまにさらして洗うのは辛いものがあった。しかも、私が自分の体を洗っている間、フランツ様は、傍らの椅子に腰掛けてじっとその様子をみつめておられるのだ。その視線が体にちりちりと痛く、それだけで私はのぼせ上がってしまう。
 しかもフランツ様は、最後に手を伸ばしてきて私の背中を流してくださる。私は、うつむき、歯をくいしばり、湯船のふちをきつくつかんで、彼の手が背中を洗う動きを捉えようとすべての感覚を研ぎ澄ます。
 鈍い痛みと共にふれられる喜びが体中を満たしていく。快感のうねりが拡がって私を捉える。私がそのために喘ぎ、最後には耐え切れずに許しを請うまで、ゆるゆるとその手は背を這い回るのが常だった。



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