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 明け方の夢を膨らませて作った、切ないSMの物語


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性的、暴力的な表現を含んでいます。
虚構と現実の区別のつかない方
18歳未満の方はご遠慮くださいませ。
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 それから、水曜日になると私はその館に通うようになった。水曜日を選んだのは、そのクラブにお客が来る確率が一番少ない曜日だったからだ。私は、真樹に会うためだけにクラブに通い始めた。
 まったくの素人だった私は、最初はなんにも出来なかった。そんな私を真樹は面白がった。そして、手取り足取り苦痛を与える方法を教え始めた。
 女が男の体に縄をかけるのは案外と重労働だった。真樹は手枷と足枷を持ち出して、縄の問題を除外した。手のひらで打つと私の手があっという間に腫れ上がってしまうのを見て、鞭だのパドルだのケインだのを使わせるようになった。
 最初はおっかなびっくりで、悲鳴を聞くとひるんでいた私だったが、持っている性癖の誘惑には抗いがたいものがあるらしい。いつのまにか、傷をあまり残さないで、手酷く痛めつける方法をみつけはじめた。私が間違いなくSである事を確認した真樹は、蝋燭や針やアナルプラグ等の道具を少しずつ増やして、私が納得するまで試させた。私は暗い喜びにどっぷりと浸かって行った。
「痛い?」
「痛い」
 針を試した時は、私はほとんど労する事なく相手の苦痛を得る事に夢中になってしまった。脇腹に一本ずつ丁寧に刺し並べていった針が太腿の付け根に差し掛かった時は、さすがに真樹も音をあげた。
「瑞季。もうだめ。耐えられそうにない」
 詰めていた息を吐き出すと、彼は囁くように訴える。手足をベッドに引き伸ばされる形に拘束され、わずかに身体をひねる事しかできない彼の身体は、冷や汗にてらてらと光っていた。ふうん、とうなずいて、次の針を刺す。真樹の顔がゆがむ。浅い息をつなぎながら、頭を起こそうとする鼠径部に次の針をつき立てた。
「あ……」
 しっかりと眼をつぶって、歯を喰いしばる様を、溜息を付きうっとりと眺める。美しい青年が私だけのために苦痛を耐える様は、私をしっかりと絡め取って放さなかった。最初は冷静にあれこれ手ほどきをしている彼が、責めがだんだんと進むにつれ、息を弾ませ身体を捻らせる。力をこめ筋肉が盛り上がる。身体がしない。苦痛に捩れる。そんな様を私はじっと見つめるのが大好きだった。
 高原とは、めったに会う事は無かったけれど、それでも気にかけてくれていたのだろう。吊や大物の道具を使う時には、わざわざ待っていて立ち会ってくれた。

「私と一緒にいない時はどうしているの?」
 一年もたった頃、ようやく、私は、毎週会っている青年が誰なのかまったく知らない事に気がついた。苗字すら知らない。
「仕事」
「ほんとに?」
 真樹は、声を立てて笑った。
「何していると思っていたの?」
「何にも考えてなかった」
「そうだと思った。瑞季は僕の苦痛にしか興味がないみたいだったから」
「だって、私、まだ紹介もされてないんだもの」
「ああ……そうだったかも」
 私はベッドの上で肘枕をしている青年の前に自分の足を突きつけた。空いている手で足の甲を優しく撫でてもらいながら、肘掛の中ですわり心地のいい姿勢をさぐる。
「どうして私を受け入れてくれたの」
「どうして?」
「だって、何にも知らなかった。何にも出来なかった。高原氏みたいなベテランさんの方が、ずっと楽しめるんじゃない?」
「そう?そうだね。ま、瑞季ができない事は、他の客で間に合わせているし、それに、彼は僕の方を見てないからね」
「え?」
「彼には大事にしている奥さんと、同じくらい大事にしている愛人がいるんだ。だから、遊び歩いてはいても、結局はそこへ還っていく」
「私があなたを見ているかしら?だって、今、初めてあなたが誰なのか知らない事に気がついたのに」
「そうだね。でも、僕が必要だったでしょ」
 彼は、ちょっと笑って足の甲に唇を付けた。舌を伸ばしてゆっくりと舐めしゃぶる。そう、私は彼が必要だった。いや、彼の苦痛が、苦しみが、彼の身体が必要だった。
それって見ている事になるの?それで、満足なの?
「いいんだ。幸せな気持ちになれたから」



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