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 明け方の夢を膨らませて作った、切ないSMの物語


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性的、暴力的な表現を含んでいます。
虚構と現実の区別のつかない方
18歳未満の方はご遠慮くださいませ。
自己責任に於いて閲覧していただきますようお願いします。

 
 二年目に入った頃、真樹は仕事が面白くなってきたからと館から出て行った。マンションを借りて東京のどこかで生活している。そして、月に一度、水曜日に私に会いに来てくれた。自然と私は、彼のいない残りの水曜日に、お金を払って、相手をしてくれる人と遊ぶようになった。
 月に一度の真樹との約束の日を決める。すると、残りの日には柚木さんが、私の相手をする男を選んで予約を入れてくれた。真樹が仕込んだ私は、結構偏ったプレイをするサディストに育ってしまっていた。まず、女王様らしくない。館に来ると一応着替えるから、黒のロングドレスにハイヒールにガーターベルトといった、いかにもそれらしいコスチュームにはなっているのだけど、相手の男性には、奴隷である事を要求しなかった。
 部屋に待っていてもらうけれど、服は会ってから脱いでもらうし、正座もさせたりしない。
 驚いた事に、これがMとしてきちんと調教を受けている男性には耐え難いものらしかった。服を脱ぎ、首輪をつけてひざまずくとスイッチが入って別人になる。その過程をすっ飛ばして、素のままで相対し、それから私の前で服を脱ぐ事になると、仕事として慣れているはずの彼らが顔を赤くした。
人間として扱われているのに、逆らう事を許されず、しかも容赦ない苦痛にさらされなければならないとなると、うまくトリップ出来ないらしいのだ。
 それでも、柚木さんがうまく算段を付けてくれて、四、五人の相手がローテンションで相手をしてくれていた。完全に苦痛系である事を考えて選んだ人間だから、多少の事は持ちこたえるだけの性癖は有している。でも、週代わりのお相手は、どうしたって、真樹の代わりでしかなかった。
 私は相手の名前もうまく覚えられなかった。柚木さんが呆れて、私のお相手の男はみんな「ゆうき」にしてしまった。自分の名前をちゃんと持っている男達だけど、私の前でだけ「ゆうき」になる。三年目に入った今、相手をしてくれる男達も、世話をしてくれる柚木さんも、もうすっかり水曜日にやってくるおなじみさんとして、自然に私を受け入れてくれていた。
 その日、真樹は、痛む程に引き伸ばされた身体を撫で上げられて悲鳴を上げた。優しく愛撫されるのは苦手な男なのだ。
「ねぇ、真樹は、恋人はいないの?」
「今…・聞かないで…・」
「じゃ、いつ聞くの?」
 意地悪く、彼の弱いところを狙って手をさまよわせる。
「瑞季…」
 うめき声しか上げられないのを知っていて、むごく責め立てる。そんな状態でも真樹は笑えるのだ。

「あうっ!」
「鞭で叩いてあげようか」
 玩びながら瞳を覗き込む。彼の瞳におびえが紛れ込む。いくら痛いのが「必要」な人間でも痛いものは痛い。苦しい事は苦しい。責められている時は、心底、恐怖するし、逃げ出したいのだ。その怯えを楽しみながら乗馬鞭の舌を使って、リングに止められて小さくなれない先っちょを思いっきりひっぱたいた。喰いしばった歯の間からうめき声をもらしながら、彼は枷を引き続ける。
「じゃあ、瑞季は…恋人がいるの?」
ビシッ!
「真樹には質問する権利はないの!」
「ああう!…・い、いない。だれも…まだ、ひとり…」
 ちょっと、びっくりして、真樹を見つめる。これだけいい男がずっと独り寝を囲っているのか。そんな事はありえない。
「嘘でしょ。ほんとの事言いなさい」
「ほんとうだよ。瑞季。そこは、もう、許して…。あう!」
 枷から外して、ふらふらしている真樹を四つんばいにしてその上に遠慮なく体重をかけて座った。真樹は、まだ鞭の痛みから立ち直れていないのか、呻き声をあげる。水割りの氷をカラカラ言わせながら聞く。
「ねぇ。月に一回で欲求不満にならないの?」
「大丈夫、その辺でつまみ食いしているから」
「危ないなぁ…。館で毎晩食い散らかしていた男が、外でうまくやれるもの?」
「うーん…、仕事が忙しくてそれどころじゃないんだよね」
「そうなんだ」
「瑞季はどうなの?恋人を作る気は無いの?」
「わからない。だって、恋した事なんかないような気がする」
 お尻の下で、くつくつ笑う真樹の身体が震える。悔しくて、思いっきりお尻を引っぱたいたけれど、派手な音の割には痛んだのは私の手だった。

「ずっとあなたが好きでした」

 胸の中にぽっと明かりが灯ったような瞬間。その事が頭の隅をよぎり、私は、眼を伏せて水割りを流し込んだ。



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