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 明け方の夢を膨らませて作った、切ないSMの物語


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性的、暴力的な表現を含んでいます。
虚構と現実の区別のつかない方
18歳未満の方はご遠慮くださいませ。
自己責任に於いて閲覧していただきますようお願いします。

 

  膝の上に彼女を乗せたものの、戸惑いの方が大きかった。立場を反対にする事があるなんて考えてもみなかった上に、瑞季が何を求めているのか、そして、それは僕が与えられるものなのか。全く検討もつかない状態なのだ。
 目を閉じて、想像する。膝の上に瑞季を乗せたら…僕はいったいどうしていたんだろう?目の前にある紫色の絹のロープに覆われた彼女の身体を見下ろした。どきん。頬が熱くなり、心臓が跳ね上がる。どきん。愛する相手の身体。どきん、どきん……。丸く膨らんだお尻をそっと掌で撫でる。どきん、どきん、どきん……。僕は自分の思考の中に入り込んでいった。
 彼女のお尻を撫で回す。ゆっくりと丹念に、味わう。彼女が吐息をもらし、身体を熱くし、ぴったりと閉じられた、足の間が緩んでくるまで。
 ゆるゆると、ロープを捲り上げる。絹のすべらかな布地が、彼女の身体を滑り落ちる。真っ白なふくらみが現れて、紫色の縁取りの中にすべすべの大理石のように光り輝いていた。そのふくらみを押して、弾力を確かめ、肌のすべらかさを味わった。充分に満足するまでその手を這い回らせ、おしまいに足の間にもぐり込ませた。熱く湿ったぬめりの中に、手を滑り込ませる。
「あっ……」
 気付かれないように、用心に用心を重ねて息を細く、細く押さえつけるように吐いていた彼女が、息を呑んで大きく身体を跳ねさせた。感じ始めている。身体が打たれる前からピンク色になり、まぶしいくらいに光っていた。痛みを予想して身体がくねる。
 なぜなんだろう。彼女にとって、一度も打たれたことも無く、一度も味わった事の無い痛み。何度も味わった僕が保障する。それは、苦痛だ。身体に刻み込まれる苦痛。それなのに、彼女の身体はそれを予想して火照り、熱く息づき始めているのだ。
 Sであった瑞季。Mではなかったはずの瑞季。サディズムとマゾヒズムが一枚の鏡の裏と表なら、どちらでもない僕は一生その中に入っていくことは出来ないのだろうか。
 手を振り上げる。真っ白なそのふくらみの中央に手のひらを打ち付けた。
「あうっ!」
 手形が赤く指の形もくっきりとかたどりで抜いたかのように浮かび上がった。僕が、彼女につけた手形。僕が彼女に与えた苦痛。僕と彼女が重ねた気持ち。僕と彼女を結ぶきずな。ありとあらゆるものが混沌となり押し寄せてくる。
 僕は、その手形の上にもう一度、更にもう一度と、手を振り下ろした。力を抜いて鞭のように手首をしなわせて打ち付ける。そうするとその瞬間は酷く痛むが、痣は軽く、早く治るのだ。回を重ねる毎に彼女の手が僕の膝に強くしがみつき、やがては痛みを堪えることに夢中になるあまりに爪が喰いこみはじめる。痛みが彼女のお尻を覆いつくし、悲鳴が彼女の喉を焼いた。
 泣かないで、瑞季。しゃくりあげる彼女を抱き上げた時、涙に濡れた頬に僕の頬を押し当てた時。僕は、僕が彼女に差し出していたものを、彼女から受け取った。
 信頼という名前の犠牲と愛を。



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