fc2ブログ
 明け方の夢を膨らませて作った、切ないSMの物語


★新館・旧館・別館の構成★

1.新館、通常更新のブログ

2.別館、女性向けSMあまあまロマンス
つまりここ↑

旧館バナー
↑本館の旧コンテンツを見たい方はここに
プライベートモードです。パスワードは「すぱんきんぐ」
画像のリンク先は自己責任でお願いします




性的、暴力的な表現を含んでいます。
虚構と現実の区別のつかない方
18歳未満の方はご遠慮くださいませ。
自己責任に於いて閲覧していただきますようお願いします。

 


W320Q75_20070921c.jpg



 木の幹にくくりつけられて吊られた足が、痛い。ギリギリと足首に縄が喰い込んで来る。後ろ手にきつく縛められた手首が、仰向けに地面に横たわっている身体の下敷きになっていて段々と痺れてくるのが分かった。もう、春も近いと感じる陽気で早々と庭の桃の花がほころんでいるのに、夜もふけた今頃の時間には深々と冷え込んで、地面の冷たさが容赦なく体温を奪い取っていく。じっとしているのが辛い。どうにかして楽な位置を探そうと肩に力を入れて身体の向きを変えた。その途端に、ずきっと吊られた足首に痛みが走って、努力が徒になっているのが分かった。はあっと、溜息をつく。その息が空中に白く広がっていく。
 縁側の上から、この有様を眺めて月見酒としゃれ込んでいる先生が、僕が辛さのあまりにもぞもぞと蠢くのを見て、いっそう喜んでいるかと思うと腹立たしかった。
「暁、痛む?」
 頭の上から、のんきな声が訪ねてくる。彼はこの家の主人。そして僕にとっては、あれこれと指導してくれる尊敬する師であり、主人でもあり、なぜそうなったのか皆目見当も付かないのだが情人でもあるのだった。
「痛い。もう、解いてください。」
「だめだよ。これは、お仕置きなんだから。痛くしないと意味がないでしょ。」
「悪い事なんてなにもしてない・・・。」
「そうかな?」

 何が、気に入らなかったんだろう?帰宅してからやけに上機嫌な様子で絡んでくるから、嫌な予感はしていたんだけど、何も釈明できないうちにこんな仕打ちを受けることになってしまった。逆らえば、もっと酷い事になるのは分かりきっているから、大人しく彼に言われるままに縄に身を委ねたものの、地面に接している背中と剥き出しの手足に深々と突き刺さってくる冷気は、縛めの縄以上に苦痛になって来ている。
「正直に言わないと、辛い事になるよ。」
 嬉しそうににんまりと微笑しながら、着物の裾を捲ってくる。逆さに脚を吊り上げられてるから、すでにはだけて身体を覆う役目を果たしてはいないとはいえ、かろうじて隠されていた身体の中心までが露に剥き出されてしまったのには赤面せずにはいられなかった。
「どう?」
 蛇がずるずるとにじり寄って、ちろちろと舌なめずりをしているような悪寒が背筋を走る。だが、彼の掌が僕の冷え切った足の脛の辺りにぴったりと張り付くと、その熱さと湿った掌の巧みないたぶりに身体が魅せられてしまうのはどうしようもなかった。ゆっくりと足の付け根に向かってさかしまに這いずってくる彼の掌が、まるで絡みついたままずるずると移動する蛇の蠕動のように感じ、その不気味さが普段は必死に隠している僕の被虐への憧れを逆撫でしてくるのだった。

 ぎゅっと目を瞑り身体を固くする。先生のくすくすと洩らす笑い声は途切れることなく、僕を追い詰めてくる。熱い。さ、わらないで。溶けちゃいそうだ。足の付け根まで這い降りてきた掌は、膨らみを覆う布の端をなぞりまわす。それは、足の付け根の敏感な所でもあるから、僕は耐えられずに腰を捻ってその手から逃れようとする。もちろん縛られて動けないんだから、ちょっと身もだえしたってどうしょうもない。それでも、じっと動かないで耐える事なんかできない。 
 声にならない悲鳴が口から洩れる。その僕の反応を確かめながら、掌はまたゆっくりと足首へ戻っていく。どういうわけか、膝の内側や脛の固い所が、なぜこんなにと思うほど感じる。こんな場所が感じるのって僕だけなんじゃないのか。それなのに、先生の手からどうしたって逃げられない、この状況。先生が、僕がその場所がとても感じやすいと分かっていて、一層煽り立てるように撫でまわす間、じっと歯を喰いしばってその手が通り過ぎるのを待つしかないんだ。多少暴れたって、手足に縄による擦り傷を増やす事くらいしかできない。
 焦らすような残酷ないたぶりは、足首の所を通り過ぎる時に、縄目の上をぎゅっと一瞬握って、それから甲の方へ移っていく。
 あ、あ、あ。やめて。くすぐったい。あ、はぁ・・・う、くるくると指先で円を書くように指の先まで行った彼の手は、もう一度同じ軌跡を辿って降りてくる。二度目は、身体が味をしめてるから、さっきよりもずっとずっと感じてしまうんだ。絡み付いてくる右手をそのままに、左手が伸ばされると僕の腰を覆っていた布の結び目へもぐりこんでくる。器用な先生は憎たらしい事に両手利きで、危なげも無く、するすると結び目を解いていき、下腹を覆っていた布は引き抜かれていく。
 さっきからの愛撫に、僕はもう、すっかり勃っちゃってる。その上をずるずると布が滑って行くんだ。堪らないよ。僕は、誰にも聞かせたくないような、裏返った叫び声を上げて腰を持ち上げてしまう。しゅうううっと抜き取られた布が、はらりと投げ捨てられると、何もかもがむき出しになったからだが冷えた空気の中で、熱くなった存在を主張してひくっと跳ねた。

 いくら相手が同じ性を持った男でも、さっきからのいたぶりに煽られて、滴を振り零し、ぬるぬるてらてらと光っているその場所を見られる恥ずかしさったらない。相手も裸ならともかく、先生はきっちりと乱れなく着物をつけたままなんだから、一層恥ずかしい。見られるのが恥ずかしいって言うよりも、こんなに反応しちゃって、今もびくびくと痙攣を繰り返しているその有様が、僕の本当の気持ち、僕の身体がモトメテイルモノだと思うと、いたたまれない気持ちになってしまうんだ。
 尊敬する大好きな先生にだけは、こんな、みっともない状態になって触れられるのを求めている淫売だなんて思われたくない。ところが、身体のほうは勝手気ままに暴走し、一番見られない所を見られたくない相手に大判振る舞いなんだ。恥ずかしさに、さっきまで蒼褪めていた身体は赤く染まり、汗に濡れてくるのが分かった。
「おや。お仕置きをされてるのに、どうい訳で勃ってしまったのかな。君は、こうやって縛られて弄られるのが好きなのか。」
 そんな事おっしゃられても、先生のそのいやらしい触り方に、反応しない奴がいたらお目にかかりたいくらいだ。
「これは、もう少し厳しくしないといけないか。」

 う・・・なにをどうするっておっしゃるんですか。僕はやましい事は、何もしてない。訴えようとして必死に顔を上げると、先生がにやにやしながら、古木の根っこのように瘤瘤のついた男根を擬した道具をお腹の上に置くのが見えた。え、え・・・。まさか、これを使おうって言うんじゃないですよね。
 僕は、まだ、男を受け入れるのに慣れて無くって、先生のご希望に沿うのも死ぬ思いなのだ。ましてや、大きさが同じだとしても固い水牛の張り方なんか使われちゃ壊れてしまいかねない。
「先生。先生。お、お願いです。許して。許してください。」
「謝罪するという事は、自分のどこが悪かったのか分かったのだろうね。」
 分かるはずがなかった。まるで、心当たりがないのだから。でも、ここでごねて見せてあんな道具を突っ込まれるよりは、なんでもいいから謝ってしまった方がずっとマシという物ではないだろうか。
「で、何が悪かったの?」
 先生の両手は僕の震え上がった気持ちとは裏腹にぴんぴんと元気に跳ねているそこを、しっかりと握っている。先走りが、腹の上に滴り拡がりを作っているのをすくっては、敏感な場所に塗り拡げる作業を繰り返してくる。あまりの直接的な刺激に僕は喘ぎながら仰け反った。痺れきった後手の握りこぶしが地面の上と身体の間で擦れ、擦り傷が出来ているのか酷く痛むが、そんなことに構ってられない状態だった。握りしめられたものを容赦なくしごかれて、あっという間に高まっていく。
 あ、あ、あ、あ・ぁ・・う・・う・・・ぅあ・・あ・・あ・・・「逝ける!」そう思った瞬間にぎゅっと根元をきつく握られる。痛い!手加減無しに締め付けられて、ほとんど間際まで来ていた身体は、空打ちするかのようにびくんびくんと痙攣する。だが、実際は射精していないんだから苦しいばかりだった。僕は必死に吊られた足を木の幹に突っ張って、異様な感覚をやり過ごすした。
「おやおや、どうやら、だめらしいな。」
 何が、だめだったんだろう。何を、要求されていたんだ?逝くギリギリのところで止められた事で、もう、頭はちゃんと物を考えられる状態じゃなかった。

 先生は立ち上がると木の幹に縛られた左足の縄を解き始めた。身体は右足だけで吊られる事になり、背中が地面についているのも何の役にも立たないくらいに、ズキズキと足首が痛む。力なくどさっと地面に落ちた左足に先生は膝の所へ新たな縄を足してぐいっと胸縄のほうへ引き上げた。胸を押すように太腿が身体にぴったりとつくまで縄を引くと、何重にも縄を掛けまわして一箇所に力が掛からないように分散してくれる。その気配りはありがたかったが、脚がぱくりと開かれた事で、あの張り方を本気で突っ込む気なのかと一気に蒼褪めてしまった。さっきまで欲求不満を訴えていた、節操無しのあそこもあっという間に萎えていく。

「先生。お願いです。やめて。やめてください。耐えられない。そんな事、しないで。わ、悪いところがあるなら直します。ほんとに分からないんです。お願い。」
 頭を上げて必死に懇願する僕の泣き言を先生はうなずきながら聞いていたけれど、その手はぱっくりと開かれて、どうとでもしてください。と天へ向けられているそこにとろとろと不思議な柔らかさのある脂を垂らしては、普通に生きていれば決して他人に見せる事などないはずの菊座を揉み解し続ける。

 物理的な刺激って、無情なもので、大人しくなっていた身体は快感の予感にむくむくと勃ちあがりはしめていた。最初は、排泄感と異物感と鋭い痛みの繰り返しだったその場所への愛撫も、回数を重ねるごとによくなってくるのは不思議なものだった。いや、今だって同じ感覚が無くなったわけじゃないのだけど、どこかしらその苦しみの隙間に、一瞬に閃くように快感が奔り抜け、そして、その閃きを追いかけるかのように前が反応し始めるといったい、痛いのかいいのかよく分からない感覚が交互に高まってくる。
「や、やめ・・・・て。いや。いやぁ・・・・。」
 吊られた右足を軸に身体を捻ろうとすると痛みに足首が千切れそうになり、大人しくいたぶりに身を任せようとしても勝手に蠢いてしまう身体を抑える事は出来ず、ゴリゴリと下敷きになった手首を痛めつけてしまう。ようやくほぐれて感じ始めてきた身体の中心の快感が高まってきても、その痛みが我を忘れるのを引きとめ続けていて、どうやってもその行為に没入できない・・・。
 その上に腹の上に乗せられたままの冷たい張り方の存在がある。そのことが頭の隅にずっとあって、忘れられなのだ。恐ろしい。こんなに大きくて固いもの。一度だって入れたことが無いのに・・・・。喜びと痛みと恐怖と・・・。三方から押し寄せてくる、全く違う感情に翻弄されて、僕は耐え切れずに泣いてしまっていた。涙がたえまなく流れ、周囲もよく見えない。
「こら、これっくらいで泣く奴があるか。」
「だって・・・・。」
 堪えきれずに、しゃくりあげてしまう。先生の指が体の中を出入りする、その感覚だけを必死で追う。これは、いつもの行為。いつもの手順。いつもの快感。だが、腹の上の重さが急に無くなり冷たい硬質なそれが押しあてがわれると、到底黙っていられないほどの痛みがめりめりと身体を引き裂き始め、辺りがあまりの苦痛に真っ白になって、僕は開いた口から息を吸う事も出来ずに固まってしまった。痛い。
「あ・・・・・。」
「息を吸って、自分から吸い込むんだ。」
「無理・・・・。」
 搾り出そうとした言葉も形にならずに宙に消えていく・・・。その時、いきなり先生の唇が僕の唇に重ねられたと思うと、息を思いっきり吹き込まれた。僕は本能的にそれを吸い込もうとして口を開けた。その瞬間、何がなんだか分からないままに剥き出しの痛みが僕を引き裂いた。

 裂けた。それは、分かる。血の臭いがして、生暖かいそれが、身体を伝い降りてくるのが分かった。ああ、それともそれは気のせいか。身体中がずきずきと痛くて上も下も分からなくなってるのに、そんな微細な感覚が分かるものだろうか?そんな役にも立たない事を考えてるうちに、引き裂かれた身体の中に大きな塊が入ってくるのが分かった。それも繰り返し。繰り返し。いつまでも。いつまでも。痛みの大きなうねりに飲み込まれる。波は次々と襲い掛かってきて、息を吸う、きっかけがない。
「力を抜け。」
 なに?なんだって?無茶を言わないでください。先生。この荒れた海が見えないんですか。嵐が来てる。僕たち遭難しちゃいますよ。高波が・・・ほら、僕を飲み込む。打ち付けられる。引きずり込まれる。なにも、見えない。
 次にやってきた波は今までの波よりも高かった。僕は水面に打ち上げられ、その瞬間に本能的に息を吸った。稲妻が走ったように鋭い快感が身体の中心を走りぬけ、僕は意識を失った。

 その夜、ようやく意識を取り戻した僕は、先生の布団の上にうつぶせに寝かされている事に気がついた。冷たくてひんやりとした感覚が足の間に滴って、先生が手当てをしてくれているのが分かった。
「暁。大丈夫か。」

「・・・・全然、大丈夫じゃありません。」
「おい・・・。」
 先生のいつものくすくす笑いが聞えて、僕はちょっとほっとする。お怒りはもう、治まったらしい。
「先生、なぜ怒ってらしたんです。僕・・・何をしてしまったんですか?」
 思い切っておそるおそる尋ねてみる。怪我の一番酷い時に訊いておかないと、後へ伸ばしたりすると、また責められて自分の首を締める事になりかねないのだ。

「なにも。」
 僕は、目をパチパチと瞬かせ・・・先生がおっしゃった言葉の意味を考えた。痛みにぼんやりした頭はその事実を理解するのを拒否していたけれど。
「何も・・・?」
「ああ、『お仕置き』と言われるとおまえが、おびえるのがつい可愛くてね。」
 僕は、師に、向かって、怒鳴りつけてしまうという事態を招かないように顔を乗せていた枕に歯を立てて口をぎゅっと押し付けた。そうだった。そうだったんだ。この人はこういう人なんだ。なんで、すっかり忘れていたんだろう。必死に自分の中の怒りを枕に向かって吐きつけていたのに、先生はひょいっと手を伸ばして、僕をひっくり返してしまった。すぐ目の前に、先生の笑っている目があった。
「おまえ、嫌なのか。俺に虐められるの。」
「・・・・・・・嫌じゃ・・・ありません。」
「ほんとに?」
「ほんとです!」
 先生はむきになって怒鳴り返した拍子に走った痛みに僕が顔をしかめるのを見て爆笑した。ほんとは、ほんとは、虐められるのなんか好きじゃない。痛くされるのも。恥ずかしいことも。好きなんかじゃない。こんな仕打ちされて腸が煮えくり返りそうだ。だけど、だけど・・・。

 先生は好きなんだ。

 僕は心の中で溜息を付いた。



↓ランキングに参加しています。応援してね。☆⌒(*^∇゜)v ヴイッ
 
スポンサーサイト
[PR]