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性的、暴力的な表現を含んでいます。
虚構と現実の区別のつかない方
18歳未満の方はご遠慮くださいませ。
自己責任に於いて閲覧していただきますようお願いします。
日差しが暖かい。マンションの外に出れば、冷たい風が吹いているのに、ガラス越しの日差しはまるで春のようだ。休みだからって、朝からのんきに風呂に入っていた晃は身体を拭いたタオルを腰に巻きつけたまま、その日差しが降り注ぐ場所に、ごろんと横になって雑誌を読んでいる。
湯冷めするのになぁ・・・と、思わないでもないのだが、まあ、自分も常々やっていることなので、咎めだてしても意味はない。うつ伏せになった身体がゴロンと転がり、仰向けになる。いつの間にかタオルが外れてくしゃくしゃと、身体に不完全に巻きついていた。
晃はめんどくさそうに、そのバスタオルを引っ張って取り除くとくしゃくしゃと丸めて、多分この方向だろう・・・と、思われるドアの方へ向って放り投げた。次に移動するときに、洗濯機へ入れるつもりなのだろうが、風呂場と居間の間にはドアが二枚と廊下があるのだ。とうぜん、タオルは壁にぶつかって落ちて、床に濡れた身体をだらしなく広げる惨状となった。
ああ、ああ、もちろん俺だってやるよ。こういう事。だけど、そりゃ俺の部屋だからであって、しかも、他に誰も見てないからであって、おまえは他人の部屋だろう。しかも、部屋の主の目の前だし・・・・。
ちと、呆れながらも、だからって、こんなにのんびりとした日に、声を荒げるのも馬鹿らしく、タオルを拾ってやるのはもっと馬鹿らしい。わざとらしく、見ない「振り」をして、新聞の字面を追う「振り」をしながら、相変わらずゴロンとねっ転がって雑誌を読んでいる晃の方へまた視線を戻した。
仰向けになって、膝を立てて、腕をあげて雑誌を支えている彼の身体の上に、陽の光が彩りを添えている。体毛があまり濃くない彼の身体はどちらかというとつるつる、すべすべ。撫で心地も最高。程よくのった筋肉の硬さが寄りかかるのに心地よく、触れる身体は少し俺より体温が高くって熱い。
晃はあまりべたべたとくっつくのは好きじゃないから、そんなふうに、絡まり合って他の事をしたりする事はないんだけど、あの、太腿を枕にして、ぼんやりと考え事とかしたり、たまーに髪の毛をかき混ぜてもらって、ぼつぼつと思いついた会話を時々口にしたりして過ごすのって、なかなか良かったりしないか?

うーん、枕にするのは腹の上でもいいな。あの臍のあたりのくぼみに頭をのっけて、空いた手で彼の太腿をすべすべと触る。多分、最初は、知らん顔。だんだん、くすぐったいとか、文句を言ったり、身を捻じったり・・・で、つまりは、そんな反応が楽しくて、つまりは、その気になっちゃって、俺の手もきわどい所を狙ってあっちへ行ったりこっちへ潜り込んだり、じらしてやりたいから、肝心のところは握らない。
男って不思議なもんだ。触ればその気になるはずの場所なのに、セックスの相手に、そこを握られていてもあまり気にならないなにげなく、もてあそばれたり、袋をもまれたりしても、脚や、腹を撫でられるよりも平気だ。かえって、他の場所の方がくすぐったかりして落ち着かない。それが、分かっているから、わざと太腿ばっかり、撫でてやるって・・・どうだろう。
きっと、嫌がるだろうなぁ。膝の上にくるくる円を描いてみたりして。おい、やめろってば、って言うのを、太腿の上に身体を乗り上げて押さえつけてくすぐったりする。絶対、お返しだ!とか、言いながら、体制を反対にしようとするだろう。そんなことしている時って俺も裸かしらん?服を着ていたら変だよな。
いやいや、でも、実際には、今、彼はすっぽんぽんで、俺は、服を着てる。こういうのもなんか、好きだったりする。服を着たままのその落差がエロい。素肌に触れる布の感触が、なんか、刺激的だ。ふむ、だったら、裸でいるのは俺の方じゃなきゃだめじゃないか。あいつは、どう思うんだろう?ずるい!って、言うな。きっと。俺は思わずにやけてしまう。で、あいつが、脱げよ。って、言って、俺の服をひっぱる。ボタンを外そうとする。だけど、あいつは他人の服を脱がせるのがあまり得意じゃないから、きつく引っ張りすぎてボタンがとんじまったりするかもな。
させまいと抵抗する俺と、無理やり脱がせようとするあいつ。くんずほずれつしてるうちに絶対気持ちは盛り上がってきて、きっと、キスしたくなる。それもやさしい奴じゃない。噛みつくように、強引に奪い取るようなキス。あいつのほうから?それとも俺が?
思いっきり息を吸い込んで、舌を差し入れてかき混ぜて、吸い上げて。突っ張る腕を押さえつけて、押しのけようとする身体へ身体を乗り上げる。俺のもんだ。そして、おまえのもんだ。奪い取って、むさぼって、しゃぶりつくす・・・・。
気がつくと、晃は、雑誌を放り出した晃は肘枕をして、俺の顔をじーっとみていた。
「え?なに・・・?」
俺は、思わず赤面した。いつから、こっちを見ていたんだ?いや、もう「降り」なんか全然忘れて、じーっとあいつの身体を眺めて妄想にふけってたから、きっと、穴があいたに違いない。そりゃ、視線も感じる、気付くにきまっているって。
「したいの?」
「あ、いや、別に・・・・」
え・え・え・え・・・・。なんで、そこまで気がつくんだ。俺の心が読めるのか?何を考えてるか気がついた?焦りまくって、うろたえて、新聞をバサバサと畳み直してみて、ふと、別に、全部バレバレになってる訳じゃなかったりすることに、気がついた。そうだよ、晃が言ったのはセックスの事で、俺が腹の上に乗りたいとか、太腿を撫でたいとか、握っていちゃいちゃしたいとか、あれこれ考えていたのは、ばれてないってば。いや、ばれてないだろ?って、ばれてる?
新聞を畳んで顔を上げると、晃はすでに俺の膝のそばまで移動してきていた。うわああああ!と、仰け反ると足の間から見上げるようにして晃は笑った。
「変な事考えてただろ?」
いや、考えてないって。考えていません。変な事じゃないだろ。普通だよ。普通。腹枕とか、そんなほのぼのとした想像だってば。ちょっと、不純なのは、認めるけど。ただ、おまえがそんなカッコして、ごろごろしてるからぁ。ついつい・・・って言うか、あ、こら、何してるんだよ。
晃は、すでに俺のズボンベルトを外して、チャックを素早くおろし、中の物を引っ張り出していた。もちろん、すでに、臨戦体制である。これじゃあ、したかったのが、腹枕だなんて主張しても、信じてもらえないだろうな。いや、もちろん、妄想の方はもう、あいつを押さえつけて、その身体にむしゃぶりつく寸前だったんだけど・・・・。
「ほら・・・」
くすくす・・・笑いながら、晃が俺のシャツに手を伸ばしてくる、想像と違って乱暴でもなく性急でもない細い指が、ボタンをゆっくりと一つずつ外していく。はだけたシャツの隙間からするりと潜り込んでくる、腕が俺の背中へ巻きつけられる。ああ、うん、おまえの腕、好きだ。こんなふうに、すべすべ、さわり心地のいい奴、ほんと初めてだって。ちょっと高い体温も、ほそっこい割にしっかりした筋肉も、あまり汗をかかないくせに、始めるとようやく感じ取れるほんのりとこおばしい体臭も、みんな好きだ。
触れ合わなくってさえ、おまえがそこにいるだけで。
今日はいい天気だな。
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湯冷めするのになぁ・・・と、思わないでもないのだが、まあ、自分も常々やっていることなので、咎めだてしても意味はない。うつ伏せになった身体がゴロンと転がり、仰向けになる。いつの間にかタオルが外れてくしゃくしゃと、身体に不完全に巻きついていた。
晃はめんどくさそうに、そのバスタオルを引っ張って取り除くとくしゃくしゃと丸めて、多分この方向だろう・・・と、思われるドアの方へ向って放り投げた。次に移動するときに、洗濯機へ入れるつもりなのだろうが、風呂場と居間の間にはドアが二枚と廊下があるのだ。とうぜん、タオルは壁にぶつかって落ちて、床に濡れた身体をだらしなく広げる惨状となった。
ああ、ああ、もちろん俺だってやるよ。こういう事。だけど、そりゃ俺の部屋だからであって、しかも、他に誰も見てないからであって、おまえは他人の部屋だろう。しかも、部屋の主の目の前だし・・・・。
ちと、呆れながらも、だからって、こんなにのんびりとした日に、声を荒げるのも馬鹿らしく、タオルを拾ってやるのはもっと馬鹿らしい。わざとらしく、見ない「振り」をして、新聞の字面を追う「振り」をしながら、相変わらずゴロンとねっ転がって雑誌を読んでいる晃の方へまた視線を戻した。
仰向けになって、膝を立てて、腕をあげて雑誌を支えている彼の身体の上に、陽の光が彩りを添えている。体毛があまり濃くない彼の身体はどちらかというとつるつる、すべすべ。撫で心地も最高。程よくのった筋肉の硬さが寄りかかるのに心地よく、触れる身体は少し俺より体温が高くって熱い。
晃はあまりべたべたとくっつくのは好きじゃないから、そんなふうに、絡まり合って他の事をしたりする事はないんだけど、あの、太腿を枕にして、ぼんやりと考え事とかしたり、たまーに髪の毛をかき混ぜてもらって、ぼつぼつと思いついた会話を時々口にしたりして過ごすのって、なかなか良かったりしないか?

うーん、枕にするのは腹の上でもいいな。あの臍のあたりのくぼみに頭をのっけて、空いた手で彼の太腿をすべすべと触る。多分、最初は、知らん顔。だんだん、くすぐったいとか、文句を言ったり、身を捻じったり・・・で、つまりは、そんな反応が楽しくて、つまりは、その気になっちゃって、俺の手もきわどい所を狙ってあっちへ行ったりこっちへ潜り込んだり、じらしてやりたいから、肝心のところは握らない。
男って不思議なもんだ。触ればその気になるはずの場所なのに、セックスの相手に、そこを握られていてもあまり気にならないなにげなく、もてあそばれたり、袋をもまれたりしても、脚や、腹を撫でられるよりも平気だ。かえって、他の場所の方がくすぐったかりして落ち着かない。それが、分かっているから、わざと太腿ばっかり、撫でてやるって・・・どうだろう。
きっと、嫌がるだろうなぁ。膝の上にくるくる円を描いてみたりして。おい、やめろってば、って言うのを、太腿の上に身体を乗り上げて押さえつけてくすぐったりする。絶対、お返しだ!とか、言いながら、体制を反対にしようとするだろう。そんなことしている時って俺も裸かしらん?服を着ていたら変だよな。
いやいや、でも、実際には、今、彼はすっぽんぽんで、俺は、服を着てる。こういうのもなんか、好きだったりする。服を着たままのその落差がエロい。素肌に触れる布の感触が、なんか、刺激的だ。ふむ、だったら、裸でいるのは俺の方じゃなきゃだめじゃないか。あいつは、どう思うんだろう?ずるい!って、言うな。きっと。俺は思わずにやけてしまう。で、あいつが、脱げよ。って、言って、俺の服をひっぱる。ボタンを外そうとする。だけど、あいつは他人の服を脱がせるのがあまり得意じゃないから、きつく引っ張りすぎてボタンがとんじまったりするかもな。
させまいと抵抗する俺と、無理やり脱がせようとするあいつ。くんずほずれつしてるうちに絶対気持ちは盛り上がってきて、きっと、キスしたくなる。それもやさしい奴じゃない。噛みつくように、強引に奪い取るようなキス。あいつのほうから?それとも俺が?
思いっきり息を吸い込んで、舌を差し入れてかき混ぜて、吸い上げて。突っ張る腕を押さえつけて、押しのけようとする身体へ身体を乗り上げる。俺のもんだ。そして、おまえのもんだ。奪い取って、むさぼって、しゃぶりつくす・・・・。
気がつくと、晃は、雑誌を放り出した晃は肘枕をして、俺の顔をじーっとみていた。
「え?なに・・・?」
俺は、思わず赤面した。いつから、こっちを見ていたんだ?いや、もう「降り」なんか全然忘れて、じーっとあいつの身体を眺めて妄想にふけってたから、きっと、穴があいたに違いない。そりゃ、視線も感じる、気付くにきまっているって。
「したいの?」
「あ、いや、別に・・・・」
え・え・え・え・・・・。なんで、そこまで気がつくんだ。俺の心が読めるのか?何を考えてるか気がついた?焦りまくって、うろたえて、新聞をバサバサと畳み直してみて、ふと、別に、全部バレバレになってる訳じゃなかったりすることに、気がついた。そうだよ、晃が言ったのはセックスの事で、俺が腹の上に乗りたいとか、太腿を撫でたいとか、握っていちゃいちゃしたいとか、あれこれ考えていたのは、ばれてないってば。いや、ばれてないだろ?って、ばれてる?
新聞を畳んで顔を上げると、晃はすでに俺の膝のそばまで移動してきていた。うわああああ!と、仰け反ると足の間から見上げるようにして晃は笑った。
「変な事考えてただろ?」
いや、考えてないって。考えていません。変な事じゃないだろ。普通だよ。普通。腹枕とか、そんなほのぼのとした想像だってば。ちょっと、不純なのは、認めるけど。ただ、おまえがそんなカッコして、ごろごろしてるからぁ。ついつい・・・って言うか、あ、こら、何してるんだよ。
晃は、すでに俺のズボンベルトを外して、チャックを素早くおろし、中の物を引っ張り出していた。もちろん、すでに、臨戦体制である。これじゃあ、したかったのが、腹枕だなんて主張しても、信じてもらえないだろうな。いや、もちろん、妄想の方はもう、あいつを押さえつけて、その身体にむしゃぶりつく寸前だったんだけど・・・・。
「ほら・・・」
くすくす・・・笑いながら、晃が俺のシャツに手を伸ばしてくる、想像と違って乱暴でもなく性急でもない細い指が、ボタンをゆっくりと一つずつ外していく。はだけたシャツの隙間からするりと潜り込んでくる、腕が俺の背中へ巻きつけられる。ああ、うん、おまえの腕、好きだ。こんなふうに、すべすべ、さわり心地のいい奴、ほんと初めてだって。ちょっと高い体温も、ほそっこい割にしっかりした筋肉も、あまり汗をかかないくせに、始めるとようやく感じ取れるほんのりとこおばしい体臭も、みんな好きだ。
触れ合わなくってさえ、おまえがそこにいるだけで。
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晃がやりたいっていうなら、やれば分かるような気がするなら、試しに「SM」してみよう。別に、やってみて、ダメだったら、やめればいい。やってみてなにも分からなくても今と変わらない。志方にとっては、「SMしてみる」って、言う事は、その程度の感覚しかなかった。
反対に「Mの方やってよ」と、言われても「ああ、いいよ。」と、答えたかもしれない。会社で晃に手首を縛られた時も、深く考えもせずに腕を差し出した。
ただ、風呂場での乱暴なセックスの合間に、閃くように何か見えたような気がしたのも本当だった。楽しむことや感じる事、技巧を凝らす慣れた手順。そんなものを全部起き捨てて、ただ、気持ちをぶつけあった。
「うーん・・・、けど、なんか違うような気もするしなぁ・・・・。」
正直に言うと、SMが何なのか全く見当がついていない。今、彼が見ているのは、会社帰りに寄ってきたレンタルビデオで適当に2、3本。借りてきたSMビデオだった。
お手軽に近場で済ませたために、もちろん普通の男女のカップルだ。日頃、視界に入ってきても、大して気にも留めないし、むしろ意識的に避けて来たためによく見たこともない裸の女性が、パンパンに膨れた胸を縄で絞り上げられて、男の上で腰を弾ませている。
ものすごく、嫌悪を感じるほどでもないが「あんあん」うるさいビデオだなと思う。さっきまでは、胡坐に縛られた身体を転がされたまま、ヴィンヴィンと唸るバイブを抜き差しされて、やっぱり「あんあん」言っていた。
縛られているだけで、普通のセックスだろう。むしろ、女を感じさせることに躍起になっている男と、与えられる物に貪欲な女が、お互いにもつれ合っているだけで、その本質は、快楽を求めるごく当たり前の行為のように思える。
リモコンでしばしば早送りしているうちにあっけなく終わってしまった。がっくりと脱力した志方は、二本目のビデオをデッキへ突っ込んだ。さっきとほとんど変わらない導入部分は、最初から早送りですっとばした。
一本目よりもスレンダーに見える女性が、手首を後ろに押さえつけられている所に来て、ようやく志方は普通の再生スピードに戻した。肩を揺すって泣いている女性の身体に縄をかけ回す男。
なんかおかしい。相手が本気で逆らっていたら、こんなふうに縄をかける事は出来ないような気がする。まず、横倒しに転がられたら、終わりなんじゃないか。まあ、AVなんだから、お互いに協力し合っての撮影なんだし、そんな所を突っ込んでも仕方ない。
ゲイ物のビデオだって似たり寄ったり、ホントのところ、別にストーリーなんか見ちゃいないから、もっといい加減な展開だったりするのに、どうでもいいように思っていた。男女になった途端に、不自然に感じるのは、冷静に見ているせいなんだろうか。
部屋を暗くしているせいで、テレビ画面の明滅につれ、部屋が照らされたり暗くなったりする。志方は椅子の背によりかかってぼんやりと、画面の中の男のする事を見つめていた。後手に縛りあげられた女性の身体が、天井から下がっている縄に繋がれる。男は房のついた鞭を取り出して、女の尻を叩き始めた。
悲鳴を上げて、女性の身体がくるりと回る。立たせておきたいなら、なんで後ろ手に縛るのかよく分からないな。俺だったら、腕は一つにくくってつるした方がいいような気がする。いや、多分、あの縄が問題なんだな。ぐるぐる巻きにする事が、肝心なんだろう。
そんな事を、とりとめもなく考えているうちに、女の尻がだんだん紅くなってきた。ぺらぺらとした、鞭で打たれても腫れてくるらしい。ひいひい泣いている女の「性別」が、いけないのか。それとも演出が悪いのか。志方は溜息をひとつついて、目を瞑った。
今、見たばかりのビデオの記憶を追い出して、晃の身体を思い浮かべる。どこから見ても、柔らかいところのない、細くしなやかな身体。手首を縛って吊り上げると、浮いてくるはずの筋張った筋肉。あいつは、こんなに声を上げたりしないだろう。いや、痛ければやっぱり叫ぶのだろうか。多分・・・。
縛られるのは嫌なはず。してみたいって言いだしたくせに、縛られた自分を容認できず、嫌悪に眉をしかめながらも、黙って素直に打たれるのだろうか。俺は嫌じゃない。だが、あいつはきっと心底それが嫌なんだ。だからこそ、興奮する。だからこそ、怖しい。
志方は、床に転がされ、落ちてくる蝋に仰け反って悲鳴を上げる女を背にしながら、パソコンのスイッチを入れた。まず、縄だ。それから鞭。そして、蝋燭。多分、他の道具も。どうすればいいのか書いてある本も必要だろう。ノウハウのビデオとか出ているといいけどな。

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反対に「Mの方やってよ」と、言われても「ああ、いいよ。」と、答えたかもしれない。会社で晃に手首を縛られた時も、深く考えもせずに腕を差し出した。
ただ、風呂場での乱暴なセックスの合間に、閃くように何か見えたような気がしたのも本当だった。楽しむことや感じる事、技巧を凝らす慣れた手順。そんなものを全部起き捨てて、ただ、気持ちをぶつけあった。
「うーん・・・、けど、なんか違うような気もするしなぁ・・・・。」
正直に言うと、SMが何なのか全く見当がついていない。今、彼が見ているのは、会社帰りに寄ってきたレンタルビデオで適当に2、3本。借りてきたSMビデオだった。
お手軽に近場で済ませたために、もちろん普通の男女のカップルだ。日頃、視界に入ってきても、大して気にも留めないし、むしろ意識的に避けて来たためによく見たこともない裸の女性が、パンパンに膨れた胸を縄で絞り上げられて、男の上で腰を弾ませている。
ものすごく、嫌悪を感じるほどでもないが「あんあん」うるさいビデオだなと思う。さっきまでは、胡坐に縛られた身体を転がされたまま、ヴィンヴィンと唸るバイブを抜き差しされて、やっぱり「あんあん」言っていた。
縛られているだけで、普通のセックスだろう。むしろ、女を感じさせることに躍起になっている男と、与えられる物に貪欲な女が、お互いにもつれ合っているだけで、その本質は、快楽を求めるごく当たり前の行為のように思える。
リモコンでしばしば早送りしているうちにあっけなく終わってしまった。がっくりと脱力した志方は、二本目のビデオをデッキへ突っ込んだ。さっきとほとんど変わらない導入部分は、最初から早送りですっとばした。
一本目よりもスレンダーに見える女性が、手首を後ろに押さえつけられている所に来て、ようやく志方は普通の再生スピードに戻した。肩を揺すって泣いている女性の身体に縄をかけ回す男。
なんかおかしい。相手が本気で逆らっていたら、こんなふうに縄をかける事は出来ないような気がする。まず、横倒しに転がられたら、終わりなんじゃないか。まあ、AVなんだから、お互いに協力し合っての撮影なんだし、そんな所を突っ込んでも仕方ない。
ゲイ物のビデオだって似たり寄ったり、ホントのところ、別にストーリーなんか見ちゃいないから、もっといい加減な展開だったりするのに、どうでもいいように思っていた。男女になった途端に、不自然に感じるのは、冷静に見ているせいなんだろうか。
部屋を暗くしているせいで、テレビ画面の明滅につれ、部屋が照らされたり暗くなったりする。志方は椅子の背によりかかってぼんやりと、画面の中の男のする事を見つめていた。後手に縛りあげられた女性の身体が、天井から下がっている縄に繋がれる。男は房のついた鞭を取り出して、女の尻を叩き始めた。
悲鳴を上げて、女性の身体がくるりと回る。立たせておきたいなら、なんで後ろ手に縛るのかよく分からないな。俺だったら、腕は一つにくくってつるした方がいいような気がする。いや、多分、あの縄が問題なんだな。ぐるぐる巻きにする事が、肝心なんだろう。
そんな事を、とりとめもなく考えているうちに、女の尻がだんだん紅くなってきた。ぺらぺらとした、鞭で打たれても腫れてくるらしい。ひいひい泣いている女の「性別」が、いけないのか。それとも演出が悪いのか。志方は溜息をひとつついて、目を瞑った。
今、見たばかりのビデオの記憶を追い出して、晃の身体を思い浮かべる。どこから見ても、柔らかいところのない、細くしなやかな身体。手首を縛って吊り上げると、浮いてくるはずの筋張った筋肉。あいつは、こんなに声を上げたりしないだろう。いや、痛ければやっぱり叫ぶのだろうか。多分・・・。
縛られるのは嫌なはず。してみたいって言いだしたくせに、縛られた自分を容認できず、嫌悪に眉をしかめながらも、黙って素直に打たれるのだろうか。俺は嫌じゃない。だが、あいつはきっと心底それが嫌なんだ。だからこそ、興奮する。だからこそ、怖しい。
志方は、床に転がされ、落ちてくる蝋に仰け反って悲鳴を上げる女を背にしながら、パソコンのスイッチを入れた。まず、縄だ。それから鞭。そして、蝋燭。多分、他の道具も。どうすればいいのか書いてある本も必要だろう。ノウハウのビデオとか出ているといいけどな。

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