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11、セックス

ここでは、「11、セックス」 に関する記事を紹介しています。
 「待ってよ。私には分からない。だって東野は、SMしたいわけじゃないでしょう」
「あなたが好きなんです。いけませんか。辛いんだ。どうしてその男には許すのに、僕には許してくれないんです」
「許すとか許さないとか、そんな問題じゃないんだってば」
 覗き込んでくる彼の瞳の奥を明らかな苦痛の色がよぎった。罪深い私は、ぞくぞくしてしまう。この男は、なんでこんなに私をそそるんだろう。館で会う男たちとは明らかに違う何かを突きつけてくる。
「僕に抱かれるのは、そんなに嫌ですか?」
「SMの相手とは、セックスしないの」
 あ、しまった。と、思った時には、もう遅かった。彼の頭の中のコンピューターがめまぐるしく検索する音が聞こえるようだった。すべてのスケジュールがさらいだされ、あっという間に結果がはじき出された。彼の瞳が驚きと喜びに光った。
「だったら、あなたは、この三年間、誰ともセックスしていない」
 そのとおりだった。SMを覚えてから一度もセックスしてなかった。日本では、普通、女王様は、奴隷とはセックスしないものなのだ。彼の中の情報が洗い出され、吟味され、そして結論が出た時には、もうしっかりと抱きしめられていた。
「僕の事が好きなんですね」
「いや」
「今だけでいいんです。言ってください。お願いだから」
 首筋に熱い唇を押し付けて、懇願してくる。頭がぐるぐると回るような気がして、足から力が抜けていって。もうどうしようもなくて彼の身体にしがみついた。言えない。自分でも分からないのに。どうしたらいいの。忙しく体をまさぐってくる手に、耳に吹き込まれる熱い息に、無意識のうちに反応しながら、心のうちで呟く。
「お願いです。本当の事を言って」
「好き…かも」
 唇を強引に奪われた。舌が割って入ってきて絡みつく。強く荒々しい蹂躙するようなキス。ずっと押し殺してきた彼の感情が、急激に膨れ上がって何もかもを押し流して行った。
 まさか社長室のソファの上で秘書に押し倒されるなんて事は、想定外だったけど、来客用の思いっきり大きな革張りのソファに、しっかりと体重をかけて押さえつけられると、何だか抵抗するのが馬鹿馬鹿しくなってきた。
 この男の身体がいいのは知っている。自分の身体がそれに反応しているのも。しかもこんなにそそられる男なんだし、私の事を好きだと言ってくれているんだし。一生懸命自分に言い訳をして欲望に身を任せた。
 彼は、ほとんど服を脱がず、私の服もほとんど脱がせず、ろくに愛撫もしないで、最初のキスの唇を離す事もしないで、考えられる限りの最短距離で侵入してきた。入ってきた瞬間、貫かれた痛みに身体が固くなる。そのとたん、無我夢中の様子だった彼は、ぱっと顔をあげた。その彼の顔が驚愕にゆがんでいる。
「なんで……。初めてだったんですか?」
「そんなはずないじゃない」
 荒い息を必死に整えて、唾を飲み込んだ彼は、しばらくじっと私の身体の反応を確かめていた。
「……嘘だ」
 腕を突っ張って、歯をくいしばって、今までかけていた体重をかけないように苦労しながら、どうしたらいいのか分からないといった様子で顔を覗き込んでくる。
「なぜ、言ってくれなかったんです」
「違うってば。そんなはずないじゃない」
 もう、口をきく余裕も無い様子だった。あの、エレベーターの中のアクシデントから引っ張りに引っ張って、ネチネチネチネチ、毎日刺激しあってきたのだ。我慢も限界だったのだろう。思いを遂げて、中に入ってから後戻りなんて出来るものじゃない。必死に動くまいと突っ張っていた身体が、私の収縮に答えて暴走しだすのは無理もなかった。
「あ…っつ…」
 ついていく事は出来なかったけど、受け止める事だけは出来た。結構それで満足して、ぐったりと弛緩した彼の腕の中にまるくなった。一度きりになったとしても、これだけ求められれば十分満たされたような気がしていた。




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コメント
この記事へのコメント
 明言を避けます。( ̄∇ ̄;)ハッハッハ
本当はこの辺りはよくわからん。
 せつなは初めてのときどうだった?
そもそも初めてのときめっちゃ痛かった?
 さやかは最後まで行くのに
三回もやり直して三日もかかった。
その後も、インサートでは感じれら無くって
中はダメなんだってずーっと思ってた。
愛撫が念入りな相手だから、そこに辿り着くまでを楽しんで
挿入の後は早く終りますように・・・・。
って、祈ってた。
 産婦人科の内診も地獄のように痛かったし。
ちょっと、普通の身体じゃなかったかも。
2006/05/11(木) 15:44 | URL | さやか #DS51.JUo[ 編集]
Σ(・ε・;)
東野さん。三年ぶりは痛いんですよ。
そりゃもう、とっても痛いんです…。めっ。
血だってでるんですー。
瑞希さん、好きかも。で我慢できるかなー。
きっと東野さんのこと大好きなんだなー。
2006/05/11(木) 13:28 | URL | せつな #-[ 編集]
ものすごく痛かったです・・・今でも実は痛いです・・・。
でもそのことってなかなか伝えられないですよね。
いくら濡れてても朦朧としててもダメなんです。
「自分の内側に相手がいる」ことをココロで感じて
カラダも気持ちいいような気がしてるだけなんです。
このことについては途中まで記事にしてるんですが、
何をどう主張したいのかまだ決まらないんです・・・。
いつかUPしたらさやかさまに読んで欲しいです。
2006/05/13(土) 11:28 | URL | せつな #-[ 編集]
 まだ、痛いのか・・・。
さやかも三年ぐらい痛かった。
今でも、体位によっては痛い・・・。
さすがにもう、向こうも私が痛いの知ってるから
姿勢を変えるときは必ず確認してくる。
他にも十分時間をかけないで急ぐと
二三日ひりひりするし・・・・。
実体験のせいで
AVで、インサートのシーン見てると拷問みたいに見える。
でも、さやかは去年の秋ぐらいからbackでも
何とかできるようになった。
人間、少しづつ進歩するんだなぁ・・・と、
しみじみ思います。
エントリー楽しみにしてるね。
2006/05/13(土) 15:52 | URL | さやか #DS51.JUo[ 編集]
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