「目、覚めたか」
ああ。と、答えようとして声が擦れて出ないことに気が付いた。あまりに叫び散らしたせいだろう。姿勢を変えようと体を捻ったが、ギシギシと痛むだけでまったく力が入らない。体中が悲鳴を上げて、苦痛を訴えていた。尻の穴は切れてしまったのだろう。とりわけシクシクと痛む。
だが、それはいつものなじみの痛みだった。手首を持ち上げると赤黒い内出血が無残なまでに腫れ上がっていた。腕から、胸から、腹から、刻み込まれたミミズ腫れがひりひりと痛む。肉も骨もばらばらになりそうだ。
起き上がった神崎の体を見て。俺はがっかりした。奴は、昨日の服のままだった。結局、脱がなかったに違いない。それも、当たり前かもしれないが、お前なんか好きじゃないと言われている様で哀しかった。彼は部屋を横切り俺の視界から消えた。俺は目を閉じて、奴が俺の中に残した。ぬめりが流れ出る感覚を味わった。少なくとも、これだけは、俺のものだ。あいつが俺の中で果てた証拠。
悲しみが突き上げてきて、咽喉をふさいだ。涙が溢れ、俺は仰天した。なんで泣く?俺は思いを遂げたじゃないか。あいつの腕の中で一晩を過ごした。それなのに、この寂寥はなんだ。ばかな。そんな感傷に気をとられてどうするんだ。最初から、分かりきっていたじゃないか。それなのに、なんで、俺は…。
突っ伏して必死に声を押し殺して泣いていた俺の体に、いつのまにか戻ってきた神崎の手が廻されて俺は体を起こされた。神崎はベッドに横座りに尻を乗せて、俺を胸に抱き寄せた。俺は、しゃくりあげ、涙と鼻水でぐずぐずになった顔を奴の胸に押し付けた。子供をあやすように揺すられる。もう、堪え切れなかった。声を上げ、堰を切ったように泣いてしまった。次々と言葉に出来ない思いが溢れ、俺はあいつの胸にしがみついて泣きじゃくった。
「よしよし…」
神崎は、何も言わなかった。ただただ優しく俺を抱きしめ揺すってくれた。長い時間、俺は奴の腕の中で泣き悶え、しゃくりあげた。目を腫らし、顔を腫らし、見られた顔じゃなくなった頃ようやく俺は落ち着いてきたそれと同時に、恥ずかしさが沸き起こって、顔を上げることも出来ない。
そんな俺の背中をぽんぽんと叩くと、奴は俺の体を引きずり上げ、ベッドから抱き下ろした。足がもつれ、ちゃんと立っていられないそんな俺の腰に手を廻すと反対の腕を肩に廻させて、俺をしっかりと支えると神崎はずるずると引きずるようにして、俺をバスルームに引きずり込んだ。
白いタイル張りの大きな風呂には窓から朝の光が差し込んでいる。新しい綺麗な湯がいっぱいに張られていた。洗い場に直に俺を下ろすと、神崎は湯桶にすくったお湯を少しずつ体にかけた。湯は傷に沁みたけど、こわばった体に優しくぬくもりが広がってくる。奴はシャワーヘッドを引き寄せるとぬるいお湯を出して、俺に風呂桶の縁に手を付かせ俺の腰へ手を廻すと持ち上げた。奴が何をしようとしているのか気が付いて、俺は急いで向き直り、その手を振り払った。
「自分でする」
神崎は、にやりと笑うとまた腰へ手を廻して持ち上げる。
「だめだ」
唇を噛み締め恥ずかしさを押し殺して、言うことを聞くしかなかった。素に戻った俺は、神崎に犯られた体を見られることすら恥ずかしい。尻たぼが割られて細い指がアナルを探ってくる。温かい湯が打ち付けられて残っていたぬめりを洗い流される。息が振るえ、頬が熱い。なんだかんだいっても俺はこいつのことが好きなんだ。
さんざん玩ばれたことは棚に上げ、朝の光の中、明るいバスルームで後始末をされる行為に赤面せずにはいられなかった。ぴりぴりと沁みる湯の刺激を堪えて神埼が念入りに後始末をする間、俺は浴槽の縁に爪を立てて歯を喰いしばっていた。指が敏感なところをさぐりえぐるように動くと喘ぎを殺すことが出来ず俺はみじろぎした。
ペニスはまた浅ましく立ち上がる。生理的な反応だとは言っても、気を失うほど激しい夜を過ごした翌朝にこれでは、恥ずかしくて奴の顔を見られなかった。
後始末が終ると、神崎は服が濡れるのもかまわずに俺の体を支えながら、湯に入らせた。俺は、腰が立たないほどくたくただったから、おとなしく奴の腕にすがりながら湯に体を沈めた。体中に付いたみみずばれが燃えるように痛む。それでも、こわばった体をそのままにしておけば、もっとひどい目にあうのは分かりきっている。痛みを堪えて体を浴槽に沈めた。俺が自力で浴槽に座っていられるのを確かめると、あいつは腕をゆるめて立ち上がった
俺はあいつの顔を見たくなくて、しっかりと目を瞑った。湯が体を洗うのに任せ、首を浴槽の縁にもたせ掛ける。泣いたことでバリバリとこわばった顔をすくった湯で何度も洗いながら、俺は何も考えられなくてぼうっとしていた。
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ああ。と、答えようとして声が擦れて出ないことに気が付いた。あまりに叫び散らしたせいだろう。姿勢を変えようと体を捻ったが、ギシギシと痛むだけでまったく力が入らない。体中が悲鳴を上げて、苦痛を訴えていた。尻の穴は切れてしまったのだろう。とりわけシクシクと痛む。
だが、それはいつものなじみの痛みだった。手首を持ち上げると赤黒い内出血が無残なまでに腫れ上がっていた。腕から、胸から、腹から、刻み込まれたミミズ腫れがひりひりと痛む。肉も骨もばらばらになりそうだ。
起き上がった神崎の体を見て。俺はがっかりした。奴は、昨日の服のままだった。結局、脱がなかったに違いない。それも、当たり前かもしれないが、お前なんか好きじゃないと言われている様で哀しかった。彼は部屋を横切り俺の視界から消えた。俺は目を閉じて、奴が俺の中に残した。ぬめりが流れ出る感覚を味わった。少なくとも、これだけは、俺のものだ。あいつが俺の中で果てた証拠。
悲しみが突き上げてきて、咽喉をふさいだ。涙が溢れ、俺は仰天した。なんで泣く?俺は思いを遂げたじゃないか。あいつの腕の中で一晩を過ごした。それなのに、この寂寥はなんだ。ばかな。そんな感傷に気をとられてどうするんだ。最初から、分かりきっていたじゃないか。それなのに、なんで、俺は…。
突っ伏して必死に声を押し殺して泣いていた俺の体に、いつのまにか戻ってきた神崎の手が廻されて俺は体を起こされた。神崎はベッドに横座りに尻を乗せて、俺を胸に抱き寄せた。俺は、しゃくりあげ、涙と鼻水でぐずぐずになった顔を奴の胸に押し付けた。子供をあやすように揺すられる。もう、堪え切れなかった。声を上げ、堰を切ったように泣いてしまった。次々と言葉に出来ない思いが溢れ、俺はあいつの胸にしがみついて泣きじゃくった。
「よしよし…」
神崎は、何も言わなかった。ただただ優しく俺を抱きしめ揺すってくれた。長い時間、俺は奴の腕の中で泣き悶え、しゃくりあげた。目を腫らし、顔を腫らし、見られた顔じゃなくなった頃ようやく俺は落ち着いてきたそれと同時に、恥ずかしさが沸き起こって、顔を上げることも出来ない。
そんな俺の背中をぽんぽんと叩くと、奴は俺の体を引きずり上げ、ベッドから抱き下ろした。足がもつれ、ちゃんと立っていられないそんな俺の腰に手を廻すと反対の腕を肩に廻させて、俺をしっかりと支えると神崎はずるずると引きずるようにして、俺をバスルームに引きずり込んだ。
白いタイル張りの大きな風呂には窓から朝の光が差し込んでいる。新しい綺麗な湯がいっぱいに張られていた。洗い場に直に俺を下ろすと、神崎は湯桶にすくったお湯を少しずつ体にかけた。湯は傷に沁みたけど、こわばった体に優しくぬくもりが広がってくる。奴はシャワーヘッドを引き寄せるとぬるいお湯を出して、俺に風呂桶の縁に手を付かせ俺の腰へ手を廻すと持ち上げた。奴が何をしようとしているのか気が付いて、俺は急いで向き直り、その手を振り払った。
「自分でする」
神崎は、にやりと笑うとまた腰へ手を廻して持ち上げる。
「だめだ」
唇を噛み締め恥ずかしさを押し殺して、言うことを聞くしかなかった。素に戻った俺は、神崎に犯られた体を見られることすら恥ずかしい。尻たぼが割られて細い指がアナルを探ってくる。温かい湯が打ち付けられて残っていたぬめりを洗い流される。息が振るえ、頬が熱い。なんだかんだいっても俺はこいつのことが好きなんだ。
さんざん玩ばれたことは棚に上げ、朝の光の中、明るいバスルームで後始末をされる行為に赤面せずにはいられなかった。ぴりぴりと沁みる湯の刺激を堪えて神埼が念入りに後始末をする間、俺は浴槽の縁に爪を立てて歯を喰いしばっていた。指が敏感なところをさぐりえぐるように動くと喘ぎを殺すことが出来ず俺はみじろぎした。
ペニスはまた浅ましく立ち上がる。生理的な反応だとは言っても、気を失うほど激しい夜を過ごした翌朝にこれでは、恥ずかしくて奴の顔を見られなかった。
後始末が終ると、神崎は服が濡れるのもかまわずに俺の体を支えながら、湯に入らせた。俺は、腰が立たないほどくたくただったから、おとなしく奴の腕にすがりながら湯に体を沈めた。体中に付いたみみずばれが燃えるように痛む。それでも、こわばった体をそのままにしておけば、もっとひどい目にあうのは分かりきっている。痛みを堪えて体を浴槽に沈めた。俺が自力で浴槽に座っていられるのを確かめると、あいつは腕をゆるめて立ち上がった
俺はあいつの顔を見たくなくて、しっかりと目を瞑った。湯が体を洗うのに任せ、首を浴槽の縁にもたせ掛ける。泣いたことでバリバリとこわばった顔をすくった湯で何度も洗いながら、俺は何も考えられなくてぼうっとしていた。
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この記事へのコメント
神崎ぐらいの手だれになれば、
セックスの後に女が泣くのは慣れたもんでしょう。
ある意味、セックスが良すぎた時の反動と混乱だから
気にしないんじゃないのかなぁ・・・。
ま、アレほどひどい事したのに泣いてしがみつかれれば
かわいさ百倍では、あるだろうけどね。
セックスの後に女が泣くのは慣れたもんでしょう。
ある意味、セックスが良すぎた時の反動と混乱だから
気にしないんじゃないのかなぁ・・・。
ま、アレほどひどい事したのに泣いてしがみつかれれば
かわいさ百倍では、あるだろうけどね。
神崎さんは自分が昨晩責めた相手が起き上がって
そして、涙をみせたことをどう感じたんだろう。
どうして抱き寄せてくれたのかな…。
そして、涙をみせたことをどう感じたんだろう。
どうして抱き寄せてくれたのかな…。
2006/06/19(月) 12:19 | URL | せつな #-[ 編集]