聡史があらゆる角度から満足するまで取り終わると、晃は白いシーツを詩織の身体にかけた。聡史の腕を取って、部屋の端へ行く。腕時計を見ると撮影が始まって間の休憩も入れて一時間半が経っていた。
「聡史、この後どうするの」
「M字に吊って、一回逝かせよう」
「着たままで?」
「うん。脱がせるのは午後でいいだろう?」
「最初からそれってきつくない?」
「一気に行きたいんだ。一度、縄をほどくと流れが切れるだろう?それに、その時は、詩織は初めて縛られる女性の顔じゃなくなってしまう」
「分かった。5分くれ」
晃は、部屋の一番奥へ異動すると、柱に手をついて、目を瞑った。腹に息を入れるようにして、深呼吸を繰り返す、うわずった気持ちを静めて、心が澄んでくるのを待つ。それから、改めてイメージの中に入っていく、ゆっくりと深く、深く。自分の中の鬼が立ち上がるのを待って、晃は目を開けた。
詩織の側に音を立てて束になった縄を投げ出すと、俯いていた彼女は怯えたように目を見張って肩をすくめた。晃は、片膝をついて彼女の前に跪ずいた。その顔をじっと覗き込んでから身体に掛けてあったシーツの端を掴む。
それから、シーツをはぎ取られる羞恥に彼女の気持ちが高ぶってくるのを待ってから、静かに少しずつ布を自分の方へ引き寄せていった。詩織の身体がだんだんと現れる。
「……っ」
息を呑み、羞恥に顔を背ける詩織。その姿をしばらく見つめてから、晃は縄へ手を伸ばし、一本目の束の端を引いた。びん!縄を引いた瞬間の、縄の震える音が周囲に響く。縄尻を持って手首を引き、縄をほどくと中央の折りかえしを握って彼女の足首に縄をかけた。
腿だけで支えられている今の状態は、かえって痛みが酷い。これから幾重にも足に縄をかけていく事で、動きは制限されるが、痛みは和らいでいくはずだった。シュ……シュシュシュ……。縄が鳴る。魔法のようにのたくり、くぐり、結び合わされる。
「あ……」
そこで、晃は、彼女の尻の下に座布団を引き込んだ。お尻の後ろから手を廻して、身体を持ち上げると、緋色のふっくらとした綿の座布団を滑らせて身体の下へ入れる。
「さあ、こっちの足も同じように縛ろうね」
反対側の足に掌を乗せて囁いた。詩織はショックを受けたような表情を一瞬晃に向けた。足をM字に開かれるということが分かったのだ。
「そ、そんな…そんな格好、嫌」
「分かっている」
晃は、手のひらを彼女の頬に滑らせた。詩織は、おそらく一冊目の写真集を念入りに眺めたはずだ。日本での発売を考慮して聡史は、局部が映り込むことの無いように、最初から考えて写真を撮っていた。ヘアさえも、あまり入らない角度を。だからといって拘束される女性の身体のラインはごまかしようがない。そして、行われている事の内容も。見せかけだけの写真ではモデルはただの人形になってしまう。
聡史はそのことに異様に拘っていた。プロのモデルを使って撮影された一冊目で、ただポーズだけでお茶を濁すことの無いように、その隙間を埋めるのが晃の仕事だった。だが、分からない人間は、上品に仕上げられた写真集の手法に騙されてしまう。
それでも、拘っただけの事は、写真にはっきりと現れていた。魂の入った写真。晃が二冊目の写真集にも付き合う覚悟を決めたのは、責められる女性の心情に深く切り込もうと格闘する聡史の姿勢を買ったからだった。だが、それは、詩織にとっては辛いことに違いない。想像もしなかった羞恥……そして苦悩。だが、それを引き出す事こそが晃の仕事なのだった。
震え始めた彼女のまだ自由な膝の辺りに手を這わせる。触られまいとして身体を捻り、足を引き寄せようとする詩織引き上げられてしまった左足に、右足を沿わせようともがく。だが、しっかりと腕を拘束され、足も絡め取られている彼女に、男の手から右足を守る術など無いのだった。
晃は彼女のはかない抵抗を搾り取って、さんざん彼女にもだえさせておいてから、足首を握った。さっきの繰り返し。膝の内側を男に身体をつかって押されれば足の付け根から広げられることになり、女性の力では抗いようもなかった。
「いやあ!やめて。いや!聡史、さとしぃ!いやあぁ!」
名前を呼ばれて、カメラを構えている聡史が息を呑むのが聞こえた。続け様のシャッター音が、彼に何を見せつけているのか、その方を見なくても分かった。晃は次の縄を空に、ひるがえした。パンと、縄尻が畳を打つ。シュ……シュシュシュシュ……キュウウ……。キュ、キュキュキュ。
晃の額に汗が滲んでくる。余った縄をくるくると縄の中にしまい込みながら、全体の結び目を確認する。彼女の身体に淫らな責めをしかける前に、出来るだけ身体の負担を減らしておきたかった。縄目が喰い込まないように、身体全体をじんわりと包み込むようになるよう、縄の本数を増やしていく。シュシュ……シュシュシュシュ……縄が畳の上をうねる。晃の手首の返しに沿って跳ねる。
聡史は、驚きの瞳で彼の技を見つめていた。休む間もなくフィルムを変え、位置を変える。拘束具を使った撮影ばかりだった前回とはまるで違う、縄師の本当のフィールド。縄の世界ならではの晃の表情が、縛られている詩織の移り変わっていく表情以上に聡史の胸を突き動かしていた。
最後に深く息を吸い込んだ晃は詩織の座布団の上の腰へ手を廻すと、ゆっくりと前へ引き寄せた。そして、彼女の腰がもたがり、女性が一番隠しておきたいはずの深奥の秘所が二人の男の目の前にあられもなく咲き拡がって姿を現した。
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「聡史、この後どうするの」
「M字に吊って、一回逝かせよう」
「着たままで?」
「うん。脱がせるのは午後でいいだろう?」
「最初からそれってきつくない?」
「一気に行きたいんだ。一度、縄をほどくと流れが切れるだろう?それに、その時は、詩織は初めて縛られる女性の顔じゃなくなってしまう」
「分かった。5分くれ」
晃は、部屋の一番奥へ異動すると、柱に手をついて、目を瞑った。腹に息を入れるようにして、深呼吸を繰り返す、うわずった気持ちを静めて、心が澄んでくるのを待つ。それから、改めてイメージの中に入っていく、ゆっくりと深く、深く。自分の中の鬼が立ち上がるのを待って、晃は目を開けた。
詩織の側に音を立てて束になった縄を投げ出すと、俯いていた彼女は怯えたように目を見張って肩をすくめた。晃は、片膝をついて彼女の前に跪ずいた。その顔をじっと覗き込んでから身体に掛けてあったシーツの端を掴む。
それから、シーツをはぎ取られる羞恥に彼女の気持ちが高ぶってくるのを待ってから、静かに少しずつ布を自分の方へ引き寄せていった。詩織の身体がだんだんと現れる。
「……っ」
息を呑み、羞恥に顔を背ける詩織。その姿をしばらく見つめてから、晃は縄へ手を伸ばし、一本目の束の端を引いた。びん!縄を引いた瞬間の、縄の震える音が周囲に響く。縄尻を持って手首を引き、縄をほどくと中央の折りかえしを握って彼女の足首に縄をかけた。
腿だけで支えられている今の状態は、かえって痛みが酷い。これから幾重にも足に縄をかけていく事で、動きは制限されるが、痛みは和らいでいくはずだった。シュ……シュシュシュ……。縄が鳴る。魔法のようにのたくり、くぐり、結び合わされる。
「あ……」
そこで、晃は、彼女の尻の下に座布団を引き込んだ。お尻の後ろから手を廻して、身体を持ち上げると、緋色のふっくらとした綿の座布団を滑らせて身体の下へ入れる。
「さあ、こっちの足も同じように縛ろうね」
反対側の足に掌を乗せて囁いた。詩織はショックを受けたような表情を一瞬晃に向けた。足をM字に開かれるということが分かったのだ。
「そ、そんな…そんな格好、嫌」
「分かっている」
晃は、手のひらを彼女の頬に滑らせた。詩織は、おそらく一冊目の写真集を念入りに眺めたはずだ。日本での発売を考慮して聡史は、局部が映り込むことの無いように、最初から考えて写真を撮っていた。ヘアさえも、あまり入らない角度を。だからといって拘束される女性の身体のラインはごまかしようがない。そして、行われている事の内容も。見せかけだけの写真ではモデルはただの人形になってしまう。
聡史はそのことに異様に拘っていた。プロのモデルを使って撮影された一冊目で、ただポーズだけでお茶を濁すことの無いように、その隙間を埋めるのが晃の仕事だった。だが、分からない人間は、上品に仕上げられた写真集の手法に騙されてしまう。
それでも、拘っただけの事は、写真にはっきりと現れていた。魂の入った写真。晃が二冊目の写真集にも付き合う覚悟を決めたのは、責められる女性の心情に深く切り込もうと格闘する聡史の姿勢を買ったからだった。だが、それは、詩織にとっては辛いことに違いない。想像もしなかった羞恥……そして苦悩。だが、それを引き出す事こそが晃の仕事なのだった。
震え始めた彼女のまだ自由な膝の辺りに手を這わせる。触られまいとして身体を捻り、足を引き寄せようとする詩織引き上げられてしまった左足に、右足を沿わせようともがく。だが、しっかりと腕を拘束され、足も絡め取られている彼女に、男の手から右足を守る術など無いのだった。
晃は彼女のはかない抵抗を搾り取って、さんざん彼女にもだえさせておいてから、足首を握った。さっきの繰り返し。膝の内側を男に身体をつかって押されれば足の付け根から広げられることになり、女性の力では抗いようもなかった。
「いやあ!やめて。いや!聡史、さとしぃ!いやあぁ!」
名前を呼ばれて、カメラを構えている聡史が息を呑むのが聞こえた。続け様のシャッター音が、彼に何を見せつけているのか、その方を見なくても分かった。晃は次の縄を空に、ひるがえした。パンと、縄尻が畳を打つ。シュ……シュシュシュシュ……キュウウ……。キュ、キュキュキュ。
晃の額に汗が滲んでくる。余った縄をくるくると縄の中にしまい込みながら、全体の結び目を確認する。彼女の身体に淫らな責めをしかける前に、出来るだけ身体の負担を減らしておきたかった。縄目が喰い込まないように、身体全体をじんわりと包み込むようになるよう、縄の本数を増やしていく。シュシュ……シュシュシュシュ……縄が畳の上をうねる。晃の手首の返しに沿って跳ねる。
聡史は、驚きの瞳で彼の技を見つめていた。休む間もなくフィルムを変え、位置を変える。拘束具を使った撮影ばかりだった前回とはまるで違う、縄師の本当のフィールド。縄の世界ならではの晃の表情が、縛られている詩織の移り変わっていく表情以上に聡史の胸を突き動かしていた。
最後に深く息を吸い込んだ晃は詩織の座布団の上の腰へ手を廻すと、ゆっくりと前へ引き寄せた。そして、彼女の腰がもたがり、女性が一番隠しておきたいはずの深奥の秘所が二人の男の目の前にあられもなく咲き拡がって姿を現した。
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