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10、崩壊

ここでは、「10、崩壊」 に関する記事を紹介しています。

 ぶるぶると震える膝にゾロリと晃の左手が這う。連動した動きにさっきよりも強い快感が走り抜ける。
「さすがに。上手いな」
 聡史が、息を切らしながらカメラを引き、手早くレンズを交換して再びカメラを構えた。聡史にとっても、前回の撮影とはまったく違う興奮を覚えていた。息を吸うのも苦しいほどに鼓動が早まり、身体は火照っているのに、頭の隅々までもが冴え渡りくっきりと物が見える。
 彼女の恥ずかしさのあまりにもがく様。じっとりとわいて身体を濡らし始めた汗の光。引きつるような足の筋のうごめき。羞恥に反り返る足の指。そしてふっくらと咲き濡れ始めた花びらのほころんでいく様がスローモーションで目に焼きついていく。
 晃の中指が廻されながら彼女の中へ差し込まれていく。それに連れ彼女の身体はうねるようにのびあがる。……カシャ、カシャ、カシャ、カシャと続けざまにシャッターを切った。ぴったりと押し付けられた掌が細かく振動し、真っ赤になった頬を汗が流れ落ちる。再びぱっと見開かれた詩織の瞳はレンズ越しに聡史の姿を捉えた。
 嫌。嫌。嫌。見ないで。見ないで。そんなことさせないで。やめて。やめて。お願い。一瞬の瞳の交錯で、何千もの言葉が溢れ出て、彼の心を貫いたような気がした。バイブレーションが始まり、かすかに開いた詩織の唇が、突きあがってくる快感に震える。うねりが彼女を捉え、まったく抵抗できないまま押し流される。最後の瞬間を狙ったように振動は止まり、彼女が崩壊するのを防いだ。パクパクと口を開けて空気を取り込もうとする詩織の顔がゆがむ。
「いいぞ。もう一度だ。今度はちょっと引いて撮るから」
「斜めからだな」
 撮影に立ち会うのも二度目になると晃も聡史との連携は手馴れたものだった。少し身体を引いて斜めに開き、よりはっきりと見えるように、膝を押し上げてやる。詩織は絶望の瞳を二人の間をさまよわせた。もう一度?もう一度アレを繰り返さないといけないの?
 羞恥を引きずり出されて身体を裏返されたような気持ちになったのに、それをもう一度繰り返すなんて。だが、二人の男はまったく容赦なくもう一度最初から行程をなぞり始める。詩織は、無意識のうちにまた激しくもがいて、縛られて逃げられない事を嫌というほど思い知らされた。
 さっきと違う。晃の指が動き始めると詩織は驚愕した。同じ行程をまったく同じ様に繰り返しているとはいっても、詩織にとっては三回目なのだ。一番敏感で、一番感じやすい場所を二人の男に見つめられながら、恥ずかしくむき出しにされ撫で回される。しかも、晃の指の動きはものすごく繊細で、今まで詩織のまったく知らなかった感覚を次々と送り出してくる。
 身体は、さっきよりも充血し、さっきよりも濡れて、さっきよりも感じやすくなっている。さっきよりも少し離れた位置にいる聡史は、さっきよりも詩織の身体全体を見つめているに違いないのだった。感じないように、動かないように、堪えようとして蠢く身体の一瞬一瞬の恥ずかしい喘ぎを写し取ろうとして……。
「詩織ちゃん、綺麗だよ。我慢しないで、感じていいんだから……」
 だめ!お願い。そんなふうにしないで。あぁぁ……。廻りながら指が差し込まれ始めると、詩織は自分がどうなるのか分かっていて、同じ行為を繰り返す恋人を恨めしく見つめずにいられなかった。うごめきながら入ってくる指は二本に増えていた。さっきよりも強く、さっきよりも激しいうねり。
「だめ!お願い。だめ……」
 細かいバイブレーション。感じちゃう。だめ。詩織は歯を喰いしばってぎゅっと目を瞑った。身体を固くしてうねりをやり過ごそうとする。だが、すっかり熱くなって蕩けた身体は、自分自身の意思を裏切って暴走し始めている。うねりに持ち上げられてからだがねじれるように反り返る。
 だが、晃は、狙いすましたようにあっさりと掌を引いた。一番高いところに打ち上げられた詩織は、波をこえる事が出来ず、空中に留まっていた。
「接写……する?」
「ああ……」
 返事をする聡史の声はすっかりうわずって擦れていた。もう一度違うレンズに交換する。さっきよりも近くににじり寄ってくる。本当は、近づく必要なんて無い。ちょっとレンズを廻せばカメラの中で大きな画像になる。だが、それでは詩織は気がつかない。濡れそぼって充血したその部分をアップで撮られてしまう事を彼女に思い知らせる必要があった。
 より強くより耐え難い羞恥をあおるために。
「詩織ちゃん。すごく、色っぽいよ。もう、ここもトロトロだよ」
 囁きながら、晃は、彼女の中を掻き混ぜた。あふれてくる愛液を掬い取り捏ね繰り回す。恥ずかしい水音がして、詩織は呆然とした。どうして?どうしてそんなことするの?聡史さん見ないで。いや。詩織の事、見ないで…。だが。さっきよりも近い位置にカメラがあり、彼が覗き込んでいる事は痛いほど彼女にも分かっていた。
 四回目。晃は、もう詩織がどうすればよく感じるのかすっかり分かっていた。同じ行程を繰り返しているようで少しずつ、少しずつ、愛撫の動きを変え、緩急を変えていく。足の付け根の筋肉がそれに応えてうごめく。身体全体があふれてくる快感を押さえようとして、押さえられずにいる詩織の苦しみと喜びを表し始めている。
 晃は、どんどんと艶めいてくる彼女の表情をみつめながら、内心感嘆していた。プロのモデルとはまったく違う。本当の被虐の姿が現れようとしている。
 晃は、同じ手順を踏みながら、さっきとは違って最初から激しく煽った。詩織は、クッと、のけぞって顎を突き上げる。強い快感が、立て続けに襲ってきた。あ、どうして?さっきと……違う……。逝かされちゃう。壊れちゃう。変になる。だめっ。込み上げてくるものを必死に堪える。嫌、嫌、嫌。詩織は、力を込めて身体を固くして暴走する感覚を押さえ込もうとした。
 だが、まったく役に立たない。あっという間に強い電流が身体を走りぬけ廻りながら入ってくる二本の指に翻弄された。嫌!見ないで。見ないで。聡史さん!
 立て続けのシャッター音の中で、強い快感に引きさらわれた詩織はなすすべもなく男達の前にすべてをさらしていた。


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コメント
この記事へのコメント
はぁ。。。気持ち良さそう
あかねも逝ってしまいそうです
2006/06/30(金) 00:12 | URL | あかね #-[ 編集]
 一応彼は上手という設定になってるのですが
どうすれば、上手なんだろう?
あかねさんに取材しよう・・・・。
2006/06/30(金) 14:58 | URL | さやか #DS51.JUo[ 編集]
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