fc2ブログ

17、不自由

ここでは、「17、不自由」 に関する記事を紹介しています。
 最後に残った右足が吊り上げられた時、詩織は悲鳴を上げた。考えていたのを上まわる胸を強く圧迫される苦しさ。そして、吊り上げられた足に掛かる体重の重み。たとえ不安定でも、爪先だけでも、床についているのとついていないのはまったく違うのだと思い知らされる。目の前が暗くなってくる。
「痛い?ごめん。もう少しだから……」
 晃が引き上げた右足に、次々と新たな縄を掛け足して行く。先ほど身体を撫で回していた時とは、別人の顔になっていた。めまぐるしく動く晃の手が急いで廻した縄目を整えるために指を滑らせると、今度は腰の周りに新たな縄を増やし始めた。胸にかかっていた荷重が減って行く。詩織は、必死に息を吸い込んだ。
「聡史、頼む」
 ようやく、息を付くと、晃は詩織の傍を離れた。彼女の身体はうつぶせになって、ゆらゆらと宙に浮いている。辛そうに眉を寄せて目を閉じた詩織は、後ろに廻した拳を白くなる程に、しっかりと握りしめていた。次々と光るフラッシュをぼんやり眺めながら、晃は汗で濡れた手と顔を拭った。掌には、さっきふれた柔らかな彼女の身体の感触が残っている。晃は詩織と同じ様にその掌をぎゅっと握りこんだ。
 吊り上げた後は、あまり時間が残されていない。脚の間に入った晃は、さっき愛撫した、濡れて光っている花びらに、ずいき棒を滑らせた。詩織の身体がびくんと跳ね上がる。見えない場所で何をされているのか、初めての詩織には分からないのだ。ぬめりを塗りつけるように、何度もその場所を擦りあげた。一番感じる場所を特に念入りに狙う。充血したその場所をこうやって擦られると、次に起きる事を予想した女性の身体の中はどんどん熱くなってくる。
「あ……」
 耐え切れずに、詩織が声を漏らした瞬間に、晃は、彼女の中にずいき棒をゆっくりと突き立てていった。痙攣する太腿の付け根の筋肉にそっと手を当てて脚を押し拡げる。
「う……うん……」
 半分ほど入れてからもう一度ゆっくりと抜く、それからもっと深く差し入れる。何度かそれを繰り返してから、先だけを差し入れて小刻みに揺する。もう一度抜いて、花びらの合わせ目を擦りあげる。そして、深く突き立てる。緩急を混ぜながら、少しずつ少しずつ追い上げていく。
 詩織に出来るのは、頭を揺する事と、拳を握りしめる事、そして、身体を震わせることだけだった。もがけばもがくほど縄は喰い込み、身体中を締め付けられる。じっと動かないで耐えるしかなかった。
 くちゅ……何度目かにずいき棒が差し入れられたとき、恥ずかしい水音が隠しようも無く響き始めた。詩織はかあっと身体が熱くなるのを感じる。何度も何度も責められて、もう、これ以上恥ずかしいことなんて無いと思っていてもやっぱり恥ずかしい。必死で耐えている詩織を追い込むかのように、晃は、抜き差ししながら膨らんだ感じやすい場所へ左手の中指を押し当てると細かく震わせた。
「あ……あ……あ……」
 強い快感がうねりとなって押し寄せてくる。逃げられない。いつもなら、そのうねりに任せてのけぞったり身体を揺すったりできるのに、宙に浮いている身体は詩織の思うようにならなかった。囚われてしまっている事が強く身に沁みる。だが、震える詩織を置き去りにして晃の手が離れていく。
「え?あ……いや……」
 身体の中心にずいき棒は深く突き刺さったままだった。腰の周りに甘い快感がまとわり付いて、詩織がちょっとでも気を許すとひとりでに逝ってしまいそうだった。
「詩織ちゃん」
 名前を呼ばれて、瞼を開けると、彼女の目の前には、毛先がけばだった柔らかそうな大きな筆と、しなやかに強くくねりそうな細い筆が、差し出されていた。
「筆でくすぐられた事……ある?」
 詩織は目を見開き、恐怖に引きつった頬を左右に振った。
「うんと、良くしてあげるから」
「いや……っ!」
 晃が、再度脚の間に戻って行くと、詩織は縄が喰い込むに構わず不自由な身体を必死にもかかせた。



↓ランキングに参加しています。応援してね。☆⌒(*^∇゜)v ヴイッ
スポンサーサイト
[PR]

コメント
この記事へのコメント
吊られるってどんな感じなのでしょう。。。
経験がないので・・・興味津々です(*^^)
簡単には逝かせてあげないの?
この意地悪さ加減・・・くらくらしますね( ̄∇ ̄*)ゞ
2006/07/07(金) 08:01 | URL | あかね #-[ 編集]
 晃にとっては、快楽系の責めの方が楽なんでしょうね。
こっちになるととたんにひどい男になってしまうのかも。
いや、楽なって言ってていいのか・・・。
縄師のくせにサディストになりきれないなんて
職業選択間違えてるかも。
く( ̄△ ̄)ノガンバレェェェ!!晃。
2006/07/07(金) 15:53 | URL | さやか #DS51.JUo[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する