土蔵の二階から縄をおろして、彼女を下半身から空中に吊り上げる。頭が斜めに下を向いて、ハンモックに揺られるように背中に縄を廻したい。晃の希望でそう決まった後、一階にしまわれていた道具を全部別の蔵へ移動してもらった。
二階の手すりに何本も縄をかけてその真下に布団を敷いて彼女を横たえた。全裸の彼女は心細そうに身体に腕を廻している。明るい光の差し込む離れの和室での撮影の時よりも、土蔵を使う日のほうが、恐ろしそうにする詩織を不憫に思いながらも、撮影も大詰めになって来たこの頃は、大仕掛けの吊りのシーンが増えてしまうのだった。
今日は吊り上げた後に蝋燭を使うから…。詩織に説明されたのはそれだけだった。蝋燭は初めてなので、尚更不安に感じるのだろう。足を片方ずつ縄に繋いで腰にも幾重にも縄を廻す。縄の形が出来上がってくると、詩織は、身体が持ち上がる前から全身を赤く羞恥に染めていた。このまま吊り上げられれば足を大きく開いた形でさかしまになることになってしまう。だが、もくもくと作業をする晃の横顔は真剣そのもので、話しかけられる状態ではなかった。
「聡史。上げるぞ。彼女を頼む」
手すりにかけた縄を晃が引っ張って縄止めをする間、詩織を抱いて持ち上げるのが聡史の役割だった。恋人の腕で横抱きにされて詩織は、思わずその胸に頭を擦りつけた。聡史の着ている白いシャツに乳首が擦れる。ぎゅっと目を瞑って、これから待ち受けるものに備える。腕の中で震える詩織に、聡史は思わず彼女の身体をかき抱いた。
カメラを構えている聡史には、彼女に触れる術がない。晃が縄をかけ、撫で回す事で、しだいに乱れていく恋人の姿をじっと凝視しているだけなのだ。切り分ける。彼女の身体を分解し、その中に入っていく。そして、それを自分の中に仕舞いこむ。頭の中でだけ行われる作業。没頭し我を忘れるほどにレンズの中の世界に集中している聡史だったが、たまにこうして生身の身体に触れると、奥深くに仕舞いこまれている別の欲求が水面に急浮上してくるような気がした。あまりにも急いで上がってきてしまったために、身体の中の圧力を調節できない……。そんな感覚だった。
驚いて目を見張っている彼女にかまわず唇を押し付けた。激しく味わい舌を差し入れる。嘗め回す。貪り食う。べちゃべちゃと音がするのではと思うほどに激しいキス。思わず詩織も我を忘れたのか、聡史の首に腕を廻して抱き寄せる。縄を引こうと待ち構えていた晃は、目の前で唇を合わせる二人をじっと凝視していた。次々と現れる瞬間の重なり。時が止まってしまったかのように長い間、二人はお互いを味わい尽くした。ビクッと彼女が震え、キスだけで逝こうとしているのが分かる。
ようやく唇を離した聡史は、自分がやってしまったことに呆れていた。詩織は、ぼうっと煙るように霞のかかった瞳をしている。チラッと晃に視線をめぐらすと、縄を掴んだまま表情も変えず、動きもせずに、じっと待っていた
「……詩織、吊るよ」
詩織の瞳が生き返った。自分の置かれている状況に思い当たったのか、みるみる首筋が真っ赤になった。彼女が理解したのを確認して、晃に合図をした時。晃は一瞬奇妙な目付きを聡史に見せたが、すぐに背を向けてしまった。そして、掛け声を掛けて全体重で縄を引き下ろした。
詩織の腰がぐいっと持ち上がる。衝撃に詩織は擦れた悲鳴を上げる。引き上げた縄を柱に縄止めすると、晃はあっという間に詩織の側に戻ってきていた。聡史は縄の動きに合わせて詩織の身体を押し上げている。晃は、その身体に手すりから降りている縄を次々に繋いでいく。
シュッ、シュッ、シュッ、シュシュシュシュシュッ。
いつもながらの子気味よい音を立てながら、縄がはねる。晃の手と聡史の手が詩織の身体の上で交錯した。
「聡史。もう少し上げて。背中を……」
晃の縄が上半身にも廻される。彼女の手がハンモック状に背中を支える縄にかかった。そうして、腕に力を入れて身体を持ち上げるようにしているのを聡史が手伝った。
「オーケー。ローションを塗ろう」
吊り上げてからローションを塗りたい。それが、晃の希望だった。ローションの塗られた身体に縄を掛けて吊るのを嫌がったのだ。その違いが聡史にはよく分からなかったが、縛るのは晃の仕事だったから一切口出ししなかった。とろんとしたローションが詩織の身体の上に絞り出された。
二人の男が両側から彼女の身体にそれを急いで塗り拡げ始めた。詩織は驚いて顔を上げる。撮影が始まってから二人の手が同時に彼女の身体に触れてくるのは初めてだった。ぬるぬるとしたローションが塗り拡げられて行く。敏感な彼女のくびれやくぼみも余すことなく男達の手が撫で回していく。
「う……ん……」
じっとしていようと思う端から、身体が反応する。上から覗き込むようにして一心不乱に作業をしている二人の男は、詩織の動揺に気が付いているはずなのに、いや、気が付いているからこそ、彼女の感覚を煽り立てるような手の動きをわざと執拗に繰り返し始める。やがて、下腹の上にローションが絞り出されると、その上に掌を乗せた聡史は彼女の足の間へ手をすべらせた。
「あ……」
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二階の手すりに何本も縄をかけてその真下に布団を敷いて彼女を横たえた。全裸の彼女は心細そうに身体に腕を廻している。明るい光の差し込む離れの和室での撮影の時よりも、土蔵を使う日のほうが、恐ろしそうにする詩織を不憫に思いながらも、撮影も大詰めになって来たこの頃は、大仕掛けの吊りのシーンが増えてしまうのだった。
今日は吊り上げた後に蝋燭を使うから…。詩織に説明されたのはそれだけだった。蝋燭は初めてなので、尚更不安に感じるのだろう。足を片方ずつ縄に繋いで腰にも幾重にも縄を廻す。縄の形が出来上がってくると、詩織は、身体が持ち上がる前から全身を赤く羞恥に染めていた。このまま吊り上げられれば足を大きく開いた形でさかしまになることになってしまう。だが、もくもくと作業をする晃の横顔は真剣そのもので、話しかけられる状態ではなかった。
「聡史。上げるぞ。彼女を頼む」
手すりにかけた縄を晃が引っ張って縄止めをする間、詩織を抱いて持ち上げるのが聡史の役割だった。恋人の腕で横抱きにされて詩織は、思わずその胸に頭を擦りつけた。聡史の着ている白いシャツに乳首が擦れる。ぎゅっと目を瞑って、これから待ち受けるものに備える。腕の中で震える詩織に、聡史は思わず彼女の身体をかき抱いた。
カメラを構えている聡史には、彼女に触れる術がない。晃が縄をかけ、撫で回す事で、しだいに乱れていく恋人の姿をじっと凝視しているだけなのだ。切り分ける。彼女の身体を分解し、その中に入っていく。そして、それを自分の中に仕舞いこむ。頭の中でだけ行われる作業。没頭し我を忘れるほどにレンズの中の世界に集中している聡史だったが、たまにこうして生身の身体に触れると、奥深くに仕舞いこまれている別の欲求が水面に急浮上してくるような気がした。あまりにも急いで上がってきてしまったために、身体の中の圧力を調節できない……。そんな感覚だった。
驚いて目を見張っている彼女にかまわず唇を押し付けた。激しく味わい舌を差し入れる。嘗め回す。貪り食う。べちゃべちゃと音がするのではと思うほどに激しいキス。思わず詩織も我を忘れたのか、聡史の首に腕を廻して抱き寄せる。縄を引こうと待ち構えていた晃は、目の前で唇を合わせる二人をじっと凝視していた。次々と現れる瞬間の重なり。時が止まってしまったかのように長い間、二人はお互いを味わい尽くした。ビクッと彼女が震え、キスだけで逝こうとしているのが分かる。
ようやく唇を離した聡史は、自分がやってしまったことに呆れていた。詩織は、ぼうっと煙るように霞のかかった瞳をしている。チラッと晃に視線をめぐらすと、縄を掴んだまま表情も変えず、動きもせずに、じっと待っていた
「……詩織、吊るよ」
詩織の瞳が生き返った。自分の置かれている状況に思い当たったのか、みるみる首筋が真っ赤になった。彼女が理解したのを確認して、晃に合図をした時。晃は一瞬奇妙な目付きを聡史に見せたが、すぐに背を向けてしまった。そして、掛け声を掛けて全体重で縄を引き下ろした。
詩織の腰がぐいっと持ち上がる。衝撃に詩織は擦れた悲鳴を上げる。引き上げた縄を柱に縄止めすると、晃はあっという間に詩織の側に戻ってきていた。聡史は縄の動きに合わせて詩織の身体を押し上げている。晃は、その身体に手すりから降りている縄を次々に繋いでいく。
シュッ、シュッ、シュッ、シュシュシュシュシュッ。
いつもながらの子気味よい音を立てながら、縄がはねる。晃の手と聡史の手が詩織の身体の上で交錯した。
「聡史。もう少し上げて。背中を……」
晃の縄が上半身にも廻される。彼女の手がハンモック状に背中を支える縄にかかった。そうして、腕に力を入れて身体を持ち上げるようにしているのを聡史が手伝った。
「オーケー。ローションを塗ろう」
吊り上げてからローションを塗りたい。それが、晃の希望だった。ローションの塗られた身体に縄を掛けて吊るのを嫌がったのだ。その違いが聡史にはよく分からなかったが、縛るのは晃の仕事だったから一切口出ししなかった。とろんとしたローションが詩織の身体の上に絞り出された。
二人の男が両側から彼女の身体にそれを急いで塗り拡げ始めた。詩織は驚いて顔を上げる。撮影が始まってから二人の手が同時に彼女の身体に触れてくるのは初めてだった。ぬるぬるとしたローションが塗り拡げられて行く。敏感な彼女のくびれやくぼみも余すことなく男達の手が撫で回していく。
「う……ん……」
じっとしていようと思う端から、身体が反応する。上から覗き込むようにして一心不乱に作業をしている二人の男は、詩織の動揺に気が付いているはずなのに、いや、気が付いているからこそ、彼女の感覚を煽り立てるような手の動きをわざと執拗に繰り返し始める。やがて、下腹の上にローションが絞り出されると、その上に掌を乗せた聡史は彼女の足の間へ手をすべらせた。
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