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6、愛に囚われる

ここでは、「6、愛に囚われる」 に関する記事を紹介しています。
 高原は僕の悲鳴を絞り取りながら、 このいたぶりを延々交互に繰り返した。どちらも苦しく、どちらも耐えがたい。痛みと蕩けるような焦らし。頭の中は射精する事でいっぱいになっていく。堪らなく欲しい。叫びだしそうな唇を必死に噛みしばり泣きながら身悶える。もう、擦れた悲鳴しか出ず、ぐったりと枷からぶら下がるだけになるまで。
  だが、それで終りではなかった。短い休憩の後、高原は竹肥後を持ち出して来て、それを僕の体の前に構え、その先に指を当ててうんとしならせて見せてから、パチンと弾いて遊び始めたのだ。汗ばんでうごめいている柔らかな下腹も。血管が透け、筋肉が張り詰めて震えている内腿も。未だに開放されずパンパンに 張り詰めている陰茎も。さんざん弾かれてじんじんと重く痛みその存在を主張する精嚢も。容赦なくパチンパチンと弾かれる。
 細く頼りない竹の肥後がしない、体に当たるとその瞬間鋭い痛みが表皮に弾けた。その痛みは鞭に比べれば、たいした事はない。だが、体の芯へ響いてくる鞭と違い、細く瞬間的に弾けいつまでも繰り返される痛みは、もう擦り切れかけていた僕の自制心をずたずたに引き裂いていった。
 パチン!
 痛い……。
 パチン!
 いたい……。
 パチン!
 あ、あ、痛っ……。
 ああ、いつまで耐えればいいのか。もう、ダメだ。堪えきれない。ついに、僕は涙ながらに懇願してしまっていた。
「許して、もう。許してください」
と……。
  高原は、泣きを入れた僕を枷に吊るしたまま放置した。グラスにブランデーを注ぎ、ソファへくつろいでぐったりと枷にぶら下がったまま震えている僕を眺めている。ここまで僕を半狂乱にさせておきながら、彼は、自分の欲望のかけらさえ見せていなかった。息も乱さず、髪も乱れていない。白いシルクのシャツの上に きっちりとガウンを纏ったまま、スラックスの足を組んで、のんびりとブランデーを楽しんでいる。
 さっきまで、巧みに両手を操って、僕に涙を振り絞らせた人間だとはとても思えなかった。しかも、今までの例でも、このまま、何の痛痒も感じない様子でさっさと僕を置いて別室へ引き上げてしまう事ができる男なのだった。枷に下がって、息を喘がせている僕の体は、ぎりぎりまで焦らされて、痛みにきりきり舞いをさせられズタボロになっていても、じわじわと熱くたまらないほど刺激を欲しがっていた。
 そのまま放置される。
 平気で置いていかれる。
 霞む目を開き、ぐらぐらする頭をもたげて、彼の姿へ視線を巡らすと屈辱に焼けるような胸の内を押し殺し、歯を喰いしばって、懇願した。
「もっと……痛みをください。いかないで……。このまま、置き去りにしないで」
 にやりと悪魔が笑い。グラスを置くとゆっくりと重い体が近づいてくる。側に寄るだけで、組み敷かれてのしかかられているほどの圧迫感に後ずさりせずにはいられない。怖い。
「ここを打たれたいのか?」
 ぞろり、と、内腿を撫でられる。逃げ出したい。怖い。
 ……弓人。
 痛い。
 だが……そのままほうって置かれるよりも、痛みにのたうつ方がましだった。
「ああ!打って!打ってください」
 その瞬間を僕は、忘れない。
 あっという間に枷から解放され、縄を解かれた僕は狂乱の嵐に飲み込まれた。何がどうなり、彼がどうしたのか。まったく分からないうちに、痛みと、快感が押し寄せてきて僕は彼の腕の中で意識を失った。



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コメント
この記事へのコメント
鞭でビシビシされながら
きっと綿棒君でぐりぐりされたんだわ!
ヽ(´∀`)9 ビシ!!
せつなも放置苦手ー!
放置の醍醐味ってどういうところなんだろう。
各務さんも放置より痛いほうが好きみたい★
なんかうれしいー♪
2006/09/07(木) 10:48 | URL | せつな #3/VKSDZ2[ 編集]
 せつなは恥ずかしがり屋だから
縛られて放っておかれたら、きゃあきゃあ騒ぎそうだな。
各務の場合、もう三日も逝ってない身体を
高原の好き勝手された後、放置されちゃったらそれは辛いでしょ。
ウン、辛いと思うよ。たぶん。
(ノ_-;)ハア…
正直言って、過去話とはいえ
各務がここまで暴走するとは思わなかったw
執事のようにクールな男にしたかったのに。
2006/09/08(金) 05:07 | URL | さやか #DS51.JUo[ 編集]
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