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12、スウェル

ここでは、「12、スウェル」 に関する記事を紹介しています。

 乱暴にひっくり返され、荒々しく引き絞られた縄が、今、ぴっちりと肌に添って、幾重にも線を引き並べ、晃の姿勢を制御している。揺さぶられ、噛みつかれるように口づけされ、あち込み掴みしめられた身体は、まるくまるまり・・・嵐のような行為が終わった後の静寂の中で、できらるだけ小さく目立たなくなろうとしているかのようだった。動いているのは、動かない縄だけ・・・。息をする度にきゅうきゅうと囁く・・・・・。ほてった肌に、その縄はじわじわと、その存在を主張し始めていた。

 それとも、主張しているのは、晃の身体の方かもしれない。

 留められ、結ばれ、完成された縄は、動かない。動いているのは、目立つまい、目立つまいと、無駄な努力をしている、その縄にくるまれた身体の方だった。動くことで、器の中に閉じ込められた肉が、うごめき、膨らみ、縮み、たわみ、反り、喘ぎ…自らの身体がそこにある事を、自分自身に教えてくれる。
 息をしている事をこんなに意識した事があっただろうか。何かが今始まろうとしている事を・・・。その気配を。すぐ傍に立っている人間の存在を。そのぬくもりを・・・・・。志方の固い身体を。

 ただ、待っている。

 酷い事をされる事を。

 酷い事?

 酷い事ってなんだろう・・・・。

 俺はいったい、何を望んでいるんだろう・・・・・。晃は己自身に語りかける。

 空気が動き、開かれて差し出されていたアナルの中心に、志方の人指し指が触れて来た。じんわりと押し、ぱっと離す。もう一度、もう一度、もう一度・・・・。
 何度でも、何度でも、志方はその行為を繰り返す事が出来る。晃の望みに関係なく。痛かろうと、気持ちよかろうと、それで何を晃が感じようと考えようと関係ない。

 晃は、腰をひねって相手の指を避けようとした。ぎりぎりと縄が鳴り、喰いこむ。身を任せずに、逆らえば、縄は噛みついてくる。そうまでして、身体を動かして、その指の動きから逃れようとしても、まったくの無駄。
 ちょっと、自分の座っている位置を変えると、志方は、なんなく、また、手を伸ばし、ほんの少しだけ位置を変えたそのアナルへ、めりめりと指を押しこんだ。

「はぁ・・・ぅ・・・・・。」

 入り口の裏側をぞろりと撫でる。ゆっくりと、回る指のそのじれったいほどの遅い動き。弄られている。こんな事は何度もあった。何度もやった。お互いにその身体をむさぼりあった。それとはまったく違う。痛くもなく、乱暴でもない、ただ、じれったい、ゆっくりと腰から溶けて行くような感覚。身を揺すり、催促してみても、その動きは何も変わらなかった、じりじりする気持ちを噛みしめた吐息に押し殺して、身体を固くして耐える。

 志方が服を着ていて、息も乱しておらず、自分は何一つ身につけておらず、ただ、縄の拘束の中で志方にされるがまま。指一本で追い上げられて、内側からせりあがってくる快感が、膨らんだその先の縄の中に閉じ込められているために、感覚を少しでもを外へ押し上げようとしているかのようだった・・・。
 たいした事もしてないのに、すっかり勃ち上がっている、その器官からは、とろーり、とろりと、先走りが流れで始めていた。
 相手が望むように、相手がやりたいように、縛られている自分は、何も選べない。ただ、じっと・・・・待っているだけ・・・・・。




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