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9、そのうえ拡張

ここでは、「9、そのうえ拡張」 に関する記事を紹介しています。
 ようやく、三十分経った時、椅子から立ち上がるのさえ一苦労だった。全部絞り出してシャワーを浴びて戻ってきた俺に、各務は、カーテンの向こうの台に上るように顎で差ししめした。

「……今度は何」
「アヌスの拡張だ。いきなり突っ込まれると裂ける」
 言い返す言葉は何も無かった。だって、何を言おうと儀式のように物事は淡々と進んでいくのだ。
「今度はうつぶせになって……」
 くっそ!尻を、向けろって言うのかよ!
 ところが、相手の要求している事はもっと悪かった、あいつは腹の下に三角形のクッションを差込み俺が、尻を突き出さずにはいられないような姿勢を取らせた上で、手足を拘束したのだ。
 カチャカチャと、金具をひとつずつ止める音を聞いていると、心臓は聞こえるほどに鳴り響き、体を絞り上げられるような、心もとなさと不安が押し寄せてくる。その上、どういうわけか、縛めに対する静かな期待と恐怖がひたひたと寄せて来て、何故だか性的に興奮してくる。ひとつ。また、ひとつと……俺の自由が奪われていくのを見つめずにはいられない。すると、どこも触っていないのに俺のペニスはだんだんと頭をもたげてきているのだった。

 気付かれなければいい。祈っている俺の気持ちとは反対に、拘束の金具を締め上げた彼はいきなり足の間から手を差し入れてきた。
「あう」
 予想もしていなかっただけに、俺は、恥ずかしくも腰を大きく突き上げて、まるで、もっとというように奴の目の前で腰を揺すってしまった。
「少しお腹を持ち上げて」
 握られているんだ。言われたとおりに素直に従うしか無かった。何かがペニスの周りに取り付けられた。しかも奴は、それを結構きつく引いた。
「う……っく」
「コックリングだよ。これをしていると射精できない」
 説明しながら、各務はリンクを根元へ押し下げて、再びしっかりと引き絞る。

  それから、リモコンを使って、足を載せている台を操作した。恥ずかしい仕掛けはゆっくりと開いて行き、俺は大きく足を拡げた格好に固定された。腕は反対に ゆっくりと閉じてXの先のように開いていた両腕はまっすぐに引き伸ばされる。各務は、また手袋をはめて、パチンパチンと音を立てながら俺の尻にかがみこんだ。
「昨日触診やったから、もう知っているね。まず潤滑油を塗るよ」
「うううう……」
 しわを伸ばし穴に塗りこめるように動く手。俺は背筋をのけぞらせながらずり上がる。無意識の動作だった。薬を足してはまた塗り拡げるといった事がいつまでも続き。俺はパンパンに張ったペニスを思わずベッドに擦り付けた。
「おっと。だめだめ」
 各務が、腰の動きを封じるために、クッションの位置をずらす。それから、ゆっくりと指を突き立ててきた。
「あ……あ……あ……。く、う……」
 昨日も今日も感じるのは痛みと嫌悪感と屈辱だけの筈だった。だが、各務は中にも薬を塗り拡げるようにしながら指を廻す。すこしずつ、すこしずつ……深く入り込んでくる指が確実に、俺がどう思おうと「感じさせる事が出来る」という事実を見せ付けようとしていた。
「あ……あう」
 急に強い気持ちよさを感じて俺はビクンと、跳ねた。
「この辺りかな」
  前立腺。男にとってはペニスと同じくらい快感を感じる道具。まっとうな生き方をしていれば、どこにあるのか知らないまま人生を終えたって不思議じゃなかった。体が熱くなり、息が上がってくる。強くも無く、弱くも無い。けれど確実に俺を追い上げるポイントを掴んだ各務は、容赦なく刺激を繰り返す。俺は、枕を 噛み、必死で声を押し殺した。
「も、もういいよ。もう、十分……」
「まだまだ、これから拡張しなきゃいけないからね」
「拡張……」
 出入りしていた指はいつの間にか二本になっている。俺は別々な指にあの中を掻き拡げられるという事態を必死にこらえた。指は、傍若無人にくちゃくちゃ音を立てながらかき混ぜてくる。
 聞かれているこんな卑猥な音を。……最低の男に。
やがて指は三本になろうとしていた。だが、今日が初めてなのだ。そう簡単に要求通りの大きさに拡がりそうになかった。痛みが突き抜け、体がこわばる。やがて、三本に増やすのはあきらめたのか、中指と人差し指を揃えて中を探るようにしてくる。アナルが熱い。粘りつくような途切れの無い快感がゆっくりと姿を表し始めていた。
 なんとかして気をそらさないと……。正直、焦っていた。体が勝手にどこか俺の知らない方へ突っ走り始めていた。
「昨日……」
「うん?」
「昨日、道尿の前に、注射器で……入れたの……な、なに?」
「キシロカインゼリーだよ。潤滑剤だ。そのまま無理矢理入れると、不必要に痛い」
 指が中指一本に変更されるその代わり深いところまで刺し抜きされた。十回ほど出入りするとカリカリと引っかくような、こそばゆい動きをする。それから方向を変えてまたピストン運動。高まりが頭をもたげ始めている。コックリングでせき止められたペニスは痛いほどに張り詰めていた。
「なんで……三回も……浣腸したのさ」
「中身を出して、石鹸で洗って、濯いだだけだよ」
 指がくりくりと廻りながら出入りすると、俺はあまりの快感に溜まらずに腰をもたげてしまいそうになった。あ……あああ……クッ、くう。
「……こんな事…いつも、するわけ?」
「奴が来るときだけだよ。もちろん肛門の拡張だけは毎日するがね。大丈夫。奴は忙しい体だ。お相手は月に二、三回だと思う」
「あんた、こんな事して面白いの?」
「ふふ。面白いよ。特にきみのように綺麗な子だとね。嫌がる様がなんともいえない」
  指はまた新しい潤滑油を付けて、もう一度入って来る。だけど、口で言うほど各務は面白がっているようには、見えなかった。素っ裸の男を大の字に拘束して尻の穴をかき混ぜてひいひい言わせながら、自分は服を着たまま。ワイシャツの第一ボタンしか外していないし、まったく息も乱していない。ただただ、冷静に俺の反応をはかり、俺の尻の穴の具合を見て、あれこれ工夫を凝らして手を動かしている。
 二本。無理矢理こねくるように三本、ああああ…。嫌だ。はらわたを直にかき混ぜられているような嫌悪感と即物的な快感の間で俺は何度も跳ね回らずにはいられなかった




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