午後の間中、さんざん各務に弄りまわされた俺は、本命の高原弓人が来た時には、もうくたくたになっていて、逆らう気力も無かった。中も外も綺麗に洗われて、さあ、どうぞ食べてくださいと差し出された生贄さ。しかも、各務の奴は最後までコックリングを外すのを許してくれなかったから、あれだけひいひい言わせられたのに俺は一回も射精してなかった。頭の中は『早くいきたい。射精したい』ただ、ただ、それだけ。
高原もそれは知っていたはずだ。会うなりいきなりのディープキスをしながら、つかんできたからね。なのに、差し向かいで夕食を食べさせられた。コックが作ったフルコース。ワインを飲んで、 コーヒーを楽しんで…。きれいごとの会話をする。その間、俺のあそこは立ち上がったまま。ちょっと身動きするたびにためいきをつかずにはいられないんだ。俺が上気した頬を、必死に目をそらしてごまかそうとしているのを眺めて、高原は楽しんでいた。
食事が終わってプレイルームに連れて行かれた。その部屋は、昨日、各務と過ごした部屋よりも、もっと設備が整った部屋だった。ドアを開けた瞬間、俺は回れ右をして逃げ出そうとして、計ったように待ちかまえていた高原に腕を掴まれた。
何も考えていない反射的な動作だったと思う。恐怖。ただそれだけ……。そこは、プレイルームって言うより拷問部屋のようだった。鎖、磔台。滑車。一辺に青ざめた俺は、部屋の中に無理矢理引きずり込まれた。
「心配しなくてもいい。時間はたっぷりある。何しろ、8年だからな。最初からハードな事はしない」
喉奥でくっくっと笑われても、何の慰めにもならない。
「あ、あんた……サディストなの?」
「まあね」
俺は、ぎゅっと目を瞑った。そんな事は、昨日マドラーで突き回された時から分かっていたはずなのに、目の前の現実を受け入れたくなかった。
「おいで」
高原は、俺を中へ連れ込み、奥まった位置のソファに座らせた。そして、手首に革の拘束具を回してベルトで止めた。まず右手首。黒い拘束具の巻きついた手首をちょっと持ち上げて俺に見せ付ける。それから手のひらへかえさせて、そこに口付けした。
「反対の手を」
俺は、唾を飲み込むと、黙って反対の手を差し出した。ひとつ拘束具をつけるたびに、俺は段々と奴隷に近づいていく。俺の中で何かが崩れていく、変わっていく。左手の次は右足。右足を掴んで持ち上げると高原は自分の膝の上に乗せた。足首をゆっくりと愛撫する。それから、甲へ手を滑らせる。信じられない事に 何か痺れるような感覚が俺の中を走り抜けていた。俺は思わず座っていた腰を浮かして両手で突っ張らずに入られなかった。なに?今のは……何なんだ?
右足首にも黒い革を巻かれる。左足を持ち上げるために右足を下ろされたとき拘束具についている金具がガチャリと音を立てた。俺はビクッと跳ねた。最後の仕上げに高原は首輪を持ち出した。俺を後ろ向きに引き寄せると、髪を掻き揚げる。そしてあらわになった首筋にそっと唇を押し付ける。
ぞわっとするようなくすぐったいような感覚。舌を這わせ、軽くついばみ、強く吸い付く。あたたかくさらりとした手が首筋から肩を這い回る。震えるこぶしをソファの座面に押し付けて、俺は熱い吐息をつかずにはいられなかった。午後中、各務に弄られた体は、恐ろしく敏感になっている。冷たい首輪がその首筋に廻された。カチャカ チャと金具を止める音が、俺の胸の中に運命のように落ちていく。
「オマエハ、モウ奴隷。奴隷ニナッタンダ」
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