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18、被虐者の加虐

ここでは、「18、被虐者の加虐」 に関する記事を紹介しています。
 だんだんと意識が戻って来ると頭がひどく痛んだ。お腹の辺りに殴られたような鈍痛が走る。私……どうしたんだろう。そっと首を廻して辺りの様子を伺う。ここは、どこ?工事中のビルの中のような様子……埃っぽい。ビニールが風にはためく音が聞こえる。オレンジ色の床置き式の明かりが天井を照らしている。後ろ手に縛られている手首が痛い。体を起こそうとしたけど、足も縛られていて力が入らなかった。
 五メートルぐらい離れたところに、建築資材が積んであって、そこに男は腰掛けていた。辺りを見回した私と目が合う。まだ、若い。私と同じぐらいの年恰好に見えた。
「あ…」
 突き上げてくる恐怖に私は、芋虫のようにのたくりながら後ろへ下がろうとした。そんな私の様子を彼はじっと見ている。
「あなた…誰なの?」

 相手は、答えなかった。水の中にいるように、立ち上がる相手の動きが緩慢に見えた。一歩一歩近づいてくる。世界がぐんにゃりとゆがむ。自分の置かれている状況があまりにも非現実的で信じられない。それなのに恐怖だけが鋭くきつく胸を締め上げてきた。叫ぼうと口を空けても声が出てこない。
 彼は私の側まで来るとしゃがんだ。ぽっかりと開いた黒い瞳がなんの表情も浮べていない事が私の恐怖をあおる。いったい何なの?…この人いったい誰?彼がふと手を伸ばしてきて頬を撫でられる。嫌悪感が溢れてきて顔を背け必死に後ろへ下がろうともがく。
「あなた…マゾなんでしょ?」
 え?聞かれた事の唐突さに、思わず相手の顔を見上げていた。薄く笑ったくちびるが、気味が悪い。思っていたよりも若々しい声が、妙に場違いだった。
「だって、博人と付き合っているんだから」
 博人さんの事、知ってる?そのせいで私を拐ったの?
「どうされるといいの?」
 指が顎の周囲をなぞる。彼の声はまるで子守唄を囁いているように静かで、それが私を尚更恐ろしくさせた。
「博人はあなたをどうするの?」
 なぞる指がくちびるの周囲をたどる。いや。やめて。思わず顔を背けると、乱暴に顎をつかんで顔を仰向かされる。痛い!
「まず、服を脱がせる」
 歌うような囁き。
「それから、縛る。手を…。それから足を」
 嬉しそうにくちびるがつりあがる。
「天井から吊るのもいい」
 膝を付いた姿勢から床に座り込んだ。
「ベッドに縛り付けてもいい」
 顎をつかんだ手に強い力が込められ、無理矢理こじ開けられた口にポケットから取り出した布を押し込まれた。もう一枚拡げて口の中に押し込むようにしながら後ろで結ばれる。思わず叫んだ声は布の中に吸い込まれた。首を振りたくるが結ばれた猿轡はもう外れなかった。
 顎をとらえ、顔を覗き込んでいた視線が、今度は私の体をじろじろと眺め回す。
「やわらかくて、綺麗な体なんだろうね。博人は綺麗なものが好きだから。…鞭で打つ?それともパドル?」
 私は、体をくねらせて彼から少しでも離れようとする。じわじわとのしかかられてどこにも逃げ場がなかった。いや。何なのこの人。すごく変。何を考えているの?
 おもむろに手を伸ばしてきてブラウスの上から乳房をなぞってくる。嫌悪に鳥肌が立つ。やめて。触らないで。
「怖い?触られるのいや?」
 その青年の目がだんだんと吊り上がって、声も大きくなってくる。得体の知れない恐怖。目をそらすことも出来ない。
「そんなはず、ないよね。マゾヒストなんだから」
 私、違う。違う。いや。触らないで。私はそんなんじゃない。
「博人」
 いきなり胸をつかみしめて来た。いやああ!痛い。膨れ上がる恐怖と嫌悪感に私は思わずのけぞった。パチンと音を立ててナイフが現れる。私はビクッと跳ねた。銀色の刃がまがまがしく光を跳ね返す。
「あなたの代わりに。……僕が汚してあげる」
 嫌。誰か。助けて。何をされるのか分からない恐怖が体を金縛りにしているようだった。ナイフの刃は焦らすように、体の上を這い回りさんざん私を喘がせた。それから、ブラウスの首の辺りに刃が滑り込んだと思うと、一気に下まで引き下げられた。ブラウスは派手な音を立てながら引き裂かれ、次にはスリップ。そしてブラもあっという間に切り裂かれて、私は男の前に白い胸をさらしていた。




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